はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

20歳、そのとき

2014-07-24 17:26:03 | 岩国エッセイサロンより
2014年7月18日 (金)


岩国市  会 員   吉岡 賢一 

 青年団や自治会が中心になって開催される「慰霊盆踊り」は、地区をあげての夏の夜の風物詩であり、老若男女の楽しみでもあった。

おそろいの派手な浴衣の三十数人が、やぐら囲んで音頭に合わせ、身ぶり手ぶりも華やかに汗を飛ばして舞い踊る。声が掛かればよその地区にも応援に出かけた。
 浴衣姿のうら若き女性を自転車の荷台に乗せ、颯爽と風を切って盆踊り会場をはしごする。そうして青年団同士や他地区との交流を深め切磋琢磨した。
 中には個人的な交流を深め、幾つかのカップルも出来上がった。遠い昔の「あせ物語」。

  (2014.07.18 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載