はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

三重虹

2015-02-13 22:24:16 | はがき随筆
 7日昼前、薩摩川内市郊外へ夫が運転する車で行った。帰途に就いたのが午後3時過ぎ、ぬか雨が降っていた。市街に入った頃、煙ったような雨になり、日がパッと差した。車の左側の空に屋根まで届いた低くて太い虹が架かった。よく見ると虹の内側の弧に続いて逆さ虹が出来ていた。いつもの二重虹とは違う初めて見る虹だった。
 うれしくて、運転中の夫にこの現象を話ながら二重虹を見ていると少し高い所にもう一つ大きな虹が立った。三重虹だ。
 これは最初で最後の出会いかもしれないと思った時、大声で「ラッキー」と叫んでいた。
  薩摩川内市 森孝子 2015/2/13 毎日新聞鹿児島版掲載

逆さ虹

2015-02-13 22:17:22 | はがき随筆
 雨上がりの早朝、ふと庭を見ると「うわーちょっと来て、虹よ」。庭に虹、物干しざおにぶら下がるように、空に出るのと同じ虹が。夫と2人で見とれていたら、わあー虹が揺れた。風に揺れているのである。逆さ虹、風に揺れる虹、どちらも初めて。何よりも、我が庭に虹が出るなんて、超感動! キラキラ朝日が差し込むと、吸い込まれるように虹は消えた。頭の中で虹が出る条件? もうそんなことは、どうでよい。きっといいことがある。そんな予感がした。これは神様からのプレゼント。庭に、空に向かって「ありがとう」と何度もつぶやいた。
  鹿児島市 永野町子 2015/2/12 毎日新聞鹿児島版掲載