2015年2月17日 (火)
岩国市 会 員 横山 恵子
鶏鍋を作ると切ない思い出がよみがえる。子供の頃、田舎にはよく泊まりに行った。それは小学6年の時、3日泊まり帰る日の昼食に叔母が鶏鍋を作ってくれた。脂がギラギラと浮いて、まさにごちそう。「鶏肉いつ買って来たん?」と聞くと叔母は「足は速いからね。あっという間に買うて来たんよ」と笑って言った。食べて庭に出ると鶏たちが「コッコー」と悲鳴に似た叫び声で、あちこち走り回っていた。確か3羽いたはずだが。「えっ、まさかあの肉は」
以来、聞くことなく叔母は6年前、76歳で天国へ。随分世話になった。田舎の方に向けて手を合わせる。
(2015.02.17 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 横山 恵子
鶏鍋を作ると切ない思い出がよみがえる。子供の頃、田舎にはよく泊まりに行った。それは小学6年の時、3日泊まり帰る日の昼食に叔母が鶏鍋を作ってくれた。脂がギラギラと浮いて、まさにごちそう。「鶏肉いつ買って来たん?」と聞くと叔母は「足は速いからね。あっという間に買うて来たんよ」と笑って言った。食べて庭に出ると鶏たちが「コッコー」と悲鳴に似た叫び声で、あちこち走り回っていた。確か3羽いたはずだが。「えっ、まさかあの肉は」
以来、聞くことなく叔母は6年前、76歳で天国へ。随分世話になった。田舎の方に向けて手を合わせる。
(2015.02.17 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載