初夏、我が家では、里芋を畑に植えるのはもっぱら私で、調理はつまだ。煮物やみそ汁に入れて食べると里芋の味は格別。
前の年、畑の隅に残した親芋から、5月ごろ小芋が芽吹く。その子芋を1個ずつ切り離す。畑に肥料を施し、子芋を一列に植える。土に触れ、土の匂いをかげば、なんとなく気持ちが安らぐ。偽物ではない確かなものを感じる。台地は、里芋だけではなく私を育ててくれる。
親離れした子芋は新しい環境でぐんぐん育つ。やがて小さな傘のような葉を広げる。
2年前、里芋掘りで転んだ孫は横浜で成長したことだろう。
出水市 小村忍 2015/7/4 毎日新聞鹿児島版掲載
前の年、畑の隅に残した親芋から、5月ごろ小芋が芽吹く。その子芋を1個ずつ切り離す。畑に肥料を施し、子芋を一列に植える。土に触れ、土の匂いをかげば、なんとなく気持ちが安らぐ。偽物ではない確かなものを感じる。台地は、里芋だけではなく私を育ててくれる。
親離れした子芋は新しい環境でぐんぐん育つ。やがて小さな傘のような葉を広げる。
2年前、里芋掘りで転んだ孫は横浜で成長したことだろう。
出水市 小村忍 2015/7/4 毎日新聞鹿児島版掲載