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カレンダーをめくった。7月だ。6月半ばから時に逆らわず、雨の中パイナップルセージがぼつぼつワインレッドの花をつけはじめた。14日は娘の誕生日。あの年も梅雨が永羽島崎の山々は雨きりがかかり続けた。
彼女は昨年から緊急にアルバイトを始め、3年目を迎えた。長男を大学に、次男を高校に毎朝三つの弁当を作り続けて何年になるのかしら。夫の分もずっとわが家製のものである。そのうえ昨今は私の昼のおかずも届けくれる。元気にこれからも日々過ごすことができますように祈念のはじまり、今年はバラをおくろうかな。
鹿児島市 東郷久子 2015/7/14 毎日新聞鹿児島版掲載