はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「できる」

2016-06-01 07:06:51 | はがき随筆
 豊富な品ぞろえに引かれて時々、鹿屋の大型スーパーにでかける。今日は、どのレジも先輩の指導を受けながら新人さんが奮闘中。
 いよいよ私の番がきた。まだ高校生の香漂う彼女は、先輩に手助けを受けながらポスレジの操作をこなしていく。それを待っている私の目が、彼女の左手に留った。よくよく見る。左手の甲にマジックで〝できる〟と書いてある。しかも大きな字で。
 代金を払うとき「上手にできてますよ」と声をかけた。それまで、こわばっていた彼女の顔が少し緩んだ。
  垂水市 竹之内政子 2016/6/1 毎日新聞鹿児島版掲載

少年の日

2016-06-01 07:00:26 | はがき随筆
 季節は初夏へと移っていく。こどもの頃、縁側に腰掛けて漫画ヒーロー「鉄人28号」などに夢中だったあの日を思い出す。正真正銘マンガ世代であった。「少年画報」、これらの月刊マンガ誌はふろくもいっぱいついていて、これも楽しみの一つだった。しかし母ちゃんからマンガばっかし読んでいると「ロッナ オセ」になれないとヤジョロシク言われつづけてきたが、まあ~それは間違いだった。今も時々書店に立ち寄り、復刻されたマンガ本を見つけると手にとり、懐かしくて、つい買ってしまう。団塊のおじさんの心は今もここ(少年の日)にある。
  さつま町 小向井一成 2016/5/31 毎日新聞鹿児島版掲載

子どもの声が

2016-06-01 06:53:09 | はがき随筆
 孫と同世代の関連ニュースは人ごとではなく、見逃せない。私は子どもの声に元気をもらい好感をもつのだが、個人差なのか、それを騒音、ストレスとしか思えない方もあり、新たな園の設立案がキャンセルになったとか。こんな世知辛い世の中に変貌してしまったことに驚きを隠せない。夜中まで騒ぐならまだしも、理解に苦しむ。
 子育て世代が安心して仕事に専念できるよう皆で育てる優しさはどこへ、少子化に歯止めを。一億総活躍社会の実現を目指し、古き良き時代の寛容の心を取り戻してほしいと切に願うのだった。
  鹿屋市 中鶴裕子 2016/5/30 毎日新聞鹿児島版掲載