はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

屋号とラジオネーム

2018-07-03 17:00:09 | はがき随筆
 僕の実家は商店街の中にあり洋装店を営んでいました。商店街の面々は名字で呼び合うのではなく、各お店の屋号で呼び合っていて、うちの場合は「ひまわりさん」、3軒隣の酒屋は「宝来屋さん」、はす向かいの食堂は「松ケ野さん」と言う具合です。お互いの名前よりも店の屋号で呼び合うことが商店街の一員としての一体感を増す、よりよい呼び方なのかもしれません。
 それは僕が見て育った中での情景だから懐かしく、今、ラジオを聴きながら思うのはリスナーをラジオネームで呼ぶことも素性が同じつながりを覚えます。
  宮崎市 元山沢(58)2018/7/3 毎日新聞鹿児島版掲載

世迷い言です

2018-07-03 16:51:41 | はがき随筆
 此ノ頃オ上ニハヤル物 文書改ザン廃棄ナド 疑イノ闇閉ザスママ 後世史家ノ言如何ニ 忖度シキリノオ役人 御用済ミナラ尻尾切リ 任命責任シラヌ顔 スマジキモノハ宮仕エ
 御飯論法ハグラカシ 記憶ノ限リゴザイマセン 国会質疑カミアワズ 野党空振リ力無シ
 大バーゲンの国有地 検察立件困難ト 不起訴決定メス入レズ 司法ニ期待裏切ラレ
 オ友達トノ食事会 李下ニ冠正ス人 庶民納得出来カネズ゛
 トランプ頼ミノ外交モ 気付イテ見レバ蚊帳ノ外 是非モナキ世ノ嘆キカナ
 年寄りの愚痴ご容赦下さい。
 熊本市中央区 増永陽(87) 2018/7/2 毎日新聞鹿児島版掲載

見たかった

2018-07-03 16:25:57 | はがき随筆


 朝のラジオ体操を済ませて家に入り、お出かけ準備にかかった。7時20分、家を出て通りへ。桜島の右手一帯が真っ黒い。台風の雨がもう来たのと行く手の空を見上げながら坂を下った。しかし雨の気配はない。外を見上げると黒雲が頭上まで来て、上空の風に舞っている。噴煙だ! 誰かが「4700㍍まで上がった」という。全くその様子を見ないで残念。6時40分にはまだあがっていなかったもの。白煙をまとっただけの桜島。どんなふうに4700㍍も。見たかったと思いながら黒煙を恐れ、娘に車をお願いしてリハビリへ行った。
  鹿児島市 東郷久子 2018/7/1 毎日新聞鹿児島版掲載