台風の季節になると小学生の頃を思い出す。明るいうちに雨戸をたて、窓に板を打ちつけて台風養生をすると家の中は暗い上に、しばしば停電になった。
ろうそくを立てちゃぶ台を家族で囲み、そそくさと晩ご飯を食べる。暴風雨の音は怖かったが、いつもと違う生活にちょっとわくわくしたものだ。
当時も様々な被害があって大変なこともあったはずなのに、なぜか楽しい思い出のように懐かしい。年を取るとはこういうことかと、はたと合点した。お年寄りが昔はよかったと言うのは、何もかもが美化されているのだろう、と。
鹿児島市 種子田真理(66) 2018/9/1 毎日新聞鹿児島版掲載
ろうそくを立てちゃぶ台を家族で囲み、そそくさと晩ご飯を食べる。暴風雨の音は怖かったが、いつもと違う生活にちょっとわくわくしたものだ。
当時も様々な被害があって大変なこともあったはずなのに、なぜか楽しい思い出のように懐かしい。年を取るとはこういうことかと、はたと合点した。お年寄りが昔はよかったと言うのは、何もかもが美化されているのだろう、と。
鹿児島市 種子田真理(66) 2018/9/1 毎日新聞鹿児島版掲載