はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

体育祭

2018-11-11 22:12:01 | はがき随筆
 台風一過の青空の下、町の体育祭が催された。私は競技には参加しなかったが、リレー、二人三脚、綱引きなどで応援した。子どもたち、若い人たちの走る姿は力強く、見ている私たちを興奮させてくれる。中高年の皆さんも自分のペースで競技を楽しんでいた。
 昼には地区の人たちと昼食をいただく。木陰で大勢で食べると一段とおいしい。日ごろ、接触の少ない人たちとおしゃべり。ぐっと距離が縮まった。
 一日応援して帰宅。ほどよく疲れた体に、虫の声と秋の涼風が心地よい。静かに一日がくれてゆく。
 熊本県玉名市 立石史子(65) 2018/10/13 毎日新聞鹿児島版掲載

無事羽化を祈る

2018-11-11 22:02:57 | はがき随筆
 夏、食卓を飾ったトマトも植え替えの時期。根元に手をかけようとしたとき、葉裏に10㌢を超す大きな幼虫が見え、一瞬たじろいだ。近くにあと3匹、節々の足で葉柄につかまり、頭部の黒い触手でせっせと口に葉を寄せている。トマトを食草にする蝶(尻の方に角があるので蛾かもしれない)。片付けるのをやめた。緑色した幼虫は5日たつと、節ごとに紫、緑、黄の矢筈模様になった。その美しいこと。更に4日して黄色味をました。さなぎに近いと思った。今朝、虫たちがいない。羽化によい場所に移動したのだろう。どんな蝶になるだろう。
 鹿児島県出水市 年神貞子(82) 2018/10/12 毎日新聞鹿児島版掲載

松山の旅

2018-11-11 21:46:08 | はがき随筆
 2009年10月10日、愛媛の友の誘いで熊本市の友と四国入りし、3人で種子田山頭火の足跡をしのびながら散策しました。
 翌11日は山頭火の70回目の命日で、ついのすみかとなった「一草庵」で法要が営まれており、お参りさせていただきました。熊本から来たと知ると、現地のボランティアの人は熊本生れの詩人、坂村真民氏の墓にも案内してくれました。
 以来、10月が訪れる度にあの日の思い出がよみがえります。
 次兄が余生の楽しみにつくっていました肥後狂句を発見。
 隠れ宿 名所にしにゃた山頭火 嗜眠
 熊本県玉名市 大村土美子(79) 2018/10/10 毎日新聞鹿児島版掲載