はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

英語入力で遊ぶ

2019-01-23 20:08:54 | はがき随筆
 カメラ店でプリントを頼む。数年前のこと、発注する際の名前入力がアルファベットで可能と気づいた。たまたま新聞見出しにあったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)をヒントに「Trans Pacific Pertnership」とやってみた。店員に「ちょっと遊ばせてもらうよ」とうそぶく。逆に中村さんという変な老人とマークされた。
 先日は市電内で見た「KOMAMOTO MuniciPai Hospital(市民病院)」で頭の体操。遊びを容認してくれるカメラ店に感謝しつつ、次回を思案中だ。
 熊本市東区 中村弘之(82) 2019/1/23 毎日新聞鹿児島版掲載

校閲記者

2019-01-23 19:59:09 | はがき随筆
 毎日ペンクラブ鹿児島の秋の研修会は、毎日新聞大阪本社の林田英明校閲記者の講演だった。校正と校閲の違いについて「こぼれる笑顔」と書かれた記事を間違いなく「こぼれる笑顔」と紙面化するのが校正で、「こぼれる」のは「笑顔」ではなく「笑み」と訂正するのが校閲などと、実際に発行された「校閲ミス」を示しながら話した。
 校閲記者の守備範囲は広い。新聞まんがの登場人物の服の柄、読書感想文の書籍名から食材の調理法まで、紙面のゴールには、様々な記事にシュートが飛んでくる。彼らは毎回違った方法の赤ペンで阻止している。
 鹿児島市 高橋誠(67) 2019/1/22 毎日新聞鹿児島版掲載

目標

2019-01-23 19:49:11 | はがき随筆
 今朝、広々とした野原を駆け回っている夢を見た。鮮やかな緑の山々も見える。いくら走っても腰も足も痛くならない。うれしい! あれだけ痛かった体の節々が良くなったに違いない。そう思ったとたん、パッと目が覚めた。
 じわじわと腰、肩、膝が痛くなってくる、朝5時だが、寝返りしながら、少しずつ体を起こそう。あちこち痛いのは病気と、年のせいもある。
 今年の目標を考えた。①絶対に転ばないこと②リハビリを続けること③明るく生活すること。簡単にみえるが、なかなか難しい努力目標だ。
 宮崎市 藤田綾子(73) 2019/1/21 毎日新聞鹿児島版掲載

福よこい

2019-01-23 19:38:56 | はがき随筆
 平成30年を表す漢字は「災」だった。確かに、天災は容赦なく各地を襲い、日々進歩する科学知識でも止めることが出来ず、無念でいっぱいだ。だが「災い転じて福となす」ならば、今年は福で表せる年になればと祈りたい。我が家では、春にめでたく6人目の曾孫が誕生予定。また、長女の長男(孫)がトマト農家2年半の研修を終え、独立するという。自然災害は避けられない農業だ。厳しい試練が待ち構えているかもしれない。強い気力で頑張って「福」をつかまえよう。応援するよ。今年の漢字は「福」ならいいね。
 熊本市中央区 原田初枝(88) 2019/1/20 2019/1/20 毎日新聞鹿児島版掲載

街頭募金

2019-01-23 19:32:02 | はがき随筆
 歳末は募金活動に参加している。小学生と一緒に「赤い羽根の共同募金にご協力くださーい」と呼びかける。ボランティアだが、もう10年になる。担当者から「5万円以上の募金があった場合は連絡を」と言われた。以前、高額の募金があり、寄付金控除ができるので領収書を発行するそうだ。2人の小学生には募金も多いので、赤い羽根がすぐなくなる。私の募金箱はコトリともしない。突然、老紳士が私の前に立った。「この寒空におつかれさまです」と、5000円札を入れてくださった。慌ててお礼を述べたが、募金箱が急に重くなった。
 鹿児島市 田中健一郎(80) 2019/1/19 毎日新聞鹿児島版掲載

ワッハッハ

2019-01-23 19:24:15 | はがき随筆
 「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ……」と10人程でオジャミを回す。70歳以上の高齢者である。毎週金曜日は通学児童のトイレを掃除して百歳体操をする。その後の余興だが、オジャミの中にペットボトルの栓のようなのも入っている。
 我が家の近くにジュズダマがなっているが1個作る程しかない。20個作るには20年生きねばいけない? これは大変。
 今日はオジャミではなくアメ玉3個ずつ握って「あんたがたどこさ……」とテンポを早めるとアメがポンポン床に落ち、両手いっぱいの者や1個も無い者も居て、みんなでワッハッハ。
 宮崎県延岡市 逢坂鶴子(92) 2019/1/18 毎日新聞鹿児島版掲載