いつもの温泉で70代のマラソンランナーと出会う。「ことしも挑戦、400位台、タイム4時間35分」。淡々と語る。電気風呂を楽しみつつ小柄で柔和なお年寄りにほれぼれす。ひなまつりの日、首都と南のさつまで、5万人が快い汗を流した。
自己ベストを目指す人、とにかく完走を願う人、沿道の応援に手を振り、己を励ましひた走る。花曇りの中、人生がはじける。人生っていいなと改めて思う後期高齢者。改めて隣の若きご老人に敬意をささげる。やがて、光輝、高貴、文字を変えても後期。ケセラセラ、願わくばピンピンコリ、嗚呼!
鹿児島県姶良市 宇都晃一(86) 2019/4/25 毎日新聞鹿児島版掲載