家に居る時、午後になるとほとんど毎日、1時間ほど昼寝をする。訪問客があれば家内が応対するので安心して眠っていたが、家内が亡くなってのんきに昼寝ができない。電話の子機を枕元に置いて寝ていたら、ある日、呼び鈴がピンポーンと鳴った。起きて出ると、老人会の会費徴収だった。別の日に電話がなったので子機を耳に当てたら、小声で訳の分からぬことをしゃべって「賛成ならば1を反対ならば2……」。私はスイッチを切った。それ以外は3時ごろまでまったく呼び鈴も電話もかからない。横着を決め込み、のんびりと昼寝をむさぼっている。
熊本市東区 竹本伸二(92) 2020/10/15 毎日新聞鹿児島版掲載