大雪の予報に反して穏やかな新年を迎えた。 新型コロナウイルスの騒ぎなど何ごともなかったかのように新しい年はやってきた。しかし、我が家は例年と
違う元日となった。 お屠蘇の準備はしたが、回し飲みになるので、妻とお互いの健康を祈念して交わしただけだった。
いつもは一族郎党が集い、一 日中にぎやかにしゃべり飲むのだが、孫や子どもが三々五々やってきては早々と引き揚げた。 3時ごろには妻と2人だけの静けさが戻った。ただ、50年来の 3人の友の賀状が見当たらず、一抹の不安を抱えながらも1月1日の夜は更けていった。
鹿児島県肝付町 吉井三男(79) 2021/3/6 毎日新聞鹿児島版掲載