家人は出かけ、ひとりの休日。 お昼も近いが特に予定もない。窓越しにやわらかな日差しが入る。
私は縁側にちゃぶ台を運び、 窓を開け、陽を浴びる。炊飯器に残っていたご飯でおにぎりを数個握って昼食とする。何もないけど、暖かい縁側で温かいお
茶。この時節に特に感じる。 おてんとうさまへのありがたさも含んだ幸せ。幸せ。相棒の老犬もいつの間にか脇で寝ている。
新聞に目を通したら、本でも持ってきましょうか。 彩りの無い庭にも少しずつ春の兆しが感じられる。縁側のぬくもりが恋しい季節はもう少し続く。
宮崎市 中村薫(55) 2021/3/13 毎日新聞鹿児島版掲載
宮崎市 中村薫(55) 2021/3/13 毎日新聞鹿児島版掲載