6通になった彼女からの手紙はまことに美しい。手製の封筒に引かれる。ありがとう。まず一見して芸術的な色彩で、楽しい。文章はスルスルと滑るように明快で、詩的なリズム。
上品で憧れる。人生の音色は楽し。古い髪のページを上手に生かし、読むと高揚感、
そして憧憬。
そして憧憬。
コロナが終息したらお会いしたいと双方の願い湧く。私、まず生きていなければ。自然な年格好で良いから、生きていなければ……。かなえたいと思える幸せ。
土曜か日曜になると、母を思うようにポストを確かめる私。
鹿児島市 東郷久子(86) 2021/7/17 毎日新聞鹿児島版掲載