はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

2,018年 熊本県はがき随筆

2019-02-22 21:46:32 | 受賞作品
 年間賞に今福さん(八代市)

 「はがき随筆」の2018年熊本年間賞に、熊本県八代市の今福和歌子さん(69)の作品「安田さんと情報」(12月6日)が選ばれた。昨年1年間に熊本の読者から寄せられた作品のうち、1~3月の冬季季間賞と準賞、更に4月~12月の月間賞、佳作計16作品を対象に、熊本県文化協会理事、和田正隆さんが選考した。

情報の真偽見極め訴え

 昨年1年間に熊本県関係では延べ240人の随筆が寄せられました。
 日ごろの営みのなかで発見する小さな幸せ、心温まる思い出、あるいは人間の生き方を問う厳しい意見、いろいろでした。ただ昨年は政治や行政への不信が募る一年だったようにも思います。
 そこで年間賞にはあえてハードな作品を選びました。今福和歌子さんの「安田さんの情報」。フェイクニュースやSNSでの偽情報、人をだまして喜ぶという卑劣な風潮がはびこる情けない世の中になってしまいました。「みんなもっとしっかりしろ」。今福さんはそう訴えています。
 政治問題をとらえたものはほかにもいくつかありました。ユーモアあふれる日常のスケッチもたくさんありました。年間賞としていずれも捨て難い随筆でした。
 熊本に縁の深い夏目漱石は小説のほかに随筆、書簡、メモなどたくさん残しています。そこからはいかめしい小説からは想像もつかない彼の思いもよらぬ素性がうかがえます。実にワガママオジサンです。びっくりです。皆さんの記録も将来「おじいちゃんおばあちゃんてこんな人だったのだ」と孫、ひ孫さんたちが新発見すること請け合いです。今年も傑作をお寄せください。
熊本県文化協会理事 和田正隆

感じたことつづり続ける
 「月間賞受賞にもびっくり仰天しましたが、更にびっくりで、ほんとうにうれしいです」。初の年間賞受賞に喜びもひとしおだ。
 シリアで武装勢力に拘束されたフリージャーナリスト、安田純平さんを巡る批判に疑問を抱いたものの反論できず、悶々としていた。ある時「日本には日本の歴史、風土があり、それはジャーナリストの視点にも影響する。米国や欧州発の情報だけでなく、日本人ジャーナリストの目を通した情報も必要だ」と考えつき、作品を書き上げた。
 小学校教員を定年退職後、2014年2月に始めて投稿して5年になる。「年を重ねたから見えてくるものもあります。今後も感じたことを綴っていきたい」【三森輝久】

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