県内の社会人野球クラブチーム「鹿児島ドリームウェーブ」が、7月に宮崎市であった九州クラブ野球選手権大会で沖縄のチームを破って優勝し、9月4日に埼玉・西武ドームで開幕する全日本選手権への出場を決めた。全日本選手権出場は3年ぶり2度目。クラブチーム日本一を目標に掲げるドリームウェーブが今回、どこまで成績を伸ばせるか、開幕を楽しみに待ちたいと思う。
チームは、〝欽ちゃん球団〟として話題になった茨城ゴールデンゴールズとの鹿児島市での試合に合わせて、2005年に鹿児島ホワイトウェーブの名前で発足した。チームによると、国鉄鹿児島鉄道管理局野球部(鹿鉄)が1987年になくなって以降、県内では社会人の硬式野球部がなかったという。欽ちゃん球団との試合は5―1で見事に勝ったが、試合後も野球を続けたいと願う関係者が集まって再スタート。12年には現在のチーム名に変更した。
社会人野球は大きく企業チームとクラブチームに分かれている。日本野球連盟傘下のチーム総数は昭和20年代には200を超えた企業チームは今年4月時点で86まで減り、逆にクラブチームは268に増えている。
企業チームが恵まれているとは決して言えないと思うが、クラブチームの場合、選手の雇用協力を仰ぐところから始まり、選手は選手で社業と野球の両立に向けて懸命だ。それでも野球を続けたいという情熱がないとできないことだと思う。
鹿児島のチームとして地元で親しまれるためには「まず試合で勝つこと」とチーム関係者は言う。プロ以外でスポーツに関わって生きていくにはどうすればいいのか。ドリームウェーブの挑戦は鹿児島のスポーツ文化に試金石の一つといっては大げさだろうか。そんな意味でも全日本選手権での活躍を祈りたい。
鹿児島支局長 西貴晴 2015/8/9 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます