2017年8月29日 (火)
岩国市 会 員 稲本 康代
我が家の庭にそびえていたクロガネモチの木が消えた。亡き父が40年前「金持ちになる縁起のよい木だよ」と庭に植えてくれた。その言葉には縁のない私の人生だったが、見事な大木になった。ところが、最近は落ち葉の始末など邪魔な存在になり、思い切って処分することを決意。植木屋さんに「切ってもいいですか」と何度も念押しされた。
わが家の歴史を黙って見つめていたんだなーと感慨深く眺めていたら、電動ノコギリの音と共に、バッタバッタと切り倒されてしまい、あっという間に姿がなくなった。
「ごめんね。お父さん」
(2017.08.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
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