はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「涙こらえて読む「ぞう」の物語」

2010-06-19 15:23:12 | 岩国エッセイサロンより
    岩国市   会員   貝  良枝

 小学校で読み聞かせをしている。今回は6年生。昨年他の人が読んでいるのを聞いて涙がこぼれそうになった、「かわいそうなぞう」を読むことにした。

 戦時中、上野動物園で行われた3頭のゾウの殺処分の話だ。娘はこの絵本を見て「小学生の時、○○先生が読んでくださった。読みながら先生が泣き出し、泣き終わるのを待つのにどうしていいかわからなくなった」。と話してくれた。

 読み聞かせの時、いつもなら児童のほうに目をやり様子をうかがうのだが、今回ばかりは見ることができなかった。自分が泣き出さないよう読むのが精いっぱいだった。

 児童はじっと聞き入ってくれた。大切に育て愛された命を殺さなければならなかった時代状況と飼育員の心の痛みを、少しでも分かってもらえたらうれしい。

              (2010,06,16 朝日新聞「声」欄 掲載)岩国エッセイサロンより転載


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2 コメント

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はじめまして (まな母)
2010-06-21 00:10:55
私のエッセイを取り上げてくださりありがとうございます。
博多ではお目にかかれてうれしかったです。
はじめてアカショウビンさんのブログで私のエッセイを見つけたときは、感動しました。
遠く離れた所で私が書いた物を紹介してくださる。それを読んでくださる人がいらっしゃる。
しっかりしたものを書かなくては・・・と益々励まされます。
 これからもよろしくお願いします。
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まな母さま、ようこそ (アカショウビン)
2010-06-21 23:16:02
まな母さま
私こそ皆様にお会いでき嬉しく思いました。

いつも岩国エッセイサロンをのぞいていますが、是非とも鹿児島の方々に読んでほしい! とロードスター様にお願いしたんですよ。
これからも時々お借りしますが
どうぞよろしくお願いします。

来年もまたお会いできますように。
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