はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

興風時報

2017-06-25 17:45:48 | 岩国エッセイサロンより
2017年6月25日 (日)
   岩国市   会 員   片山 清勝

 岩国を知る上で貴重な新聞「興風時報」がちょうど100年前の1917 (大正6)年5月に発刊された。戦時下には合併、休刊もあったが、56年9月まで月1回、延べ2千号以上が発行された。
 その閲覧が図書館でできると知り、訪ねてみた。「岩国を知る貴重な史料です」と係りの人は言って書架まで案内してくれた。
 父が「興風時報」の読者だったという子供のころの記憶が残っていた。また、数年前に仲間とご当地検定を立ち上げた時、検定資料を作成した。そうした作業の中で、興風時報の記事から引用した資料に出合ったこともあり、本物を読んでみたいと思っていた。
 創刊号は14㌻。発行所は岩国市でなく、山口県玖珂郡岩国町とされていた。1部3銭。広告は1行15銭、発行の年号に紀元と西暦を併記するなど時代を知る上で参考になる。記事内容は現在の新聞ローカル面と大きな違いはないが、町内の出生状況や行事が細かく載っていてほほ笑ましい。
 豊富な記事内容を目の当たりにして 「貴重な史料」という説明に納得した。高度に通信手段が発展した現代とは格段の差がある時代の取材、大変だったろうとも想像した。
 記事に句読点はあるが、改行はない。べた書きで少し読みづらい。初めて見る字、読めない字も多い。
 まだ1冊目のファイル2年半分を見ただけだ。全18冊を見終えるには相当な時間と努力が必要だが、郷土を知るため続けたい。

     (2017.06.25 中国新聞セレクト「ひといき」掲載)

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1 コメント

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報道の大切さ (tatu_no_ko)
2017-06-26 08:21:38
いつも転載有り難うございます。
紙で報道され残されたものは、いつでも見れる、読める、調べられる、こんな大きな特典があるように思います。
100年は10昔ですが懐かしく繰っております。
梅雨本番、ご自愛くださいませ。
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