2019年8月19日 (月)
岩国市 会 員 吉岡賢一
お盆を前に、墓掃除に行った。古い集団墓地なので水道などの設備はなく、掃除用の水は家から車で運んだ。普段の無沙汰もあってまずは墓石周辺の草取りから始める。次いで石塔を磨き、供物台、花立てなど、動かせる石は全て動かし、完璧に磨き上げた。
日暮れの涼しさを狙って出掛けても汗は滴り、相応のエネルギーを要する。今は私たち夫婦が車を運転するし、水も運べる。石も動かせる。しかし、やがてはできなくなるだろう。その時はどうするか。順番からいけば長男夫婦が面倒をみることになるが、遠くに住んでいて思うに任せない。
先祖代々の墓を守る役割は、次世代に重荷を背負わせることになると、心配せざるを得ない時代である。
終活という言葉に沿って身辺整理に取りかかってはいるものの、墓石の行く末までは手が回らない。盆の帰省を楽しむ孫たちの笑顔に囲まれると、悩み事の相談は、つい先延ばしになってしまう。
(2019.08.19 中国新聞「広場」掲載)
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