2011年5月 9日 (月)
岩国市 会 員 林 治子
川を渡ってくる風は冷たい。錦川沿いの遊歩道には通ってきた土手の街路灯は届かない。いつもは気がつかない山の上の家々の明かりが点々と。あたりはまだ真っ暗。夜明け前と言っても東の空は白みかけてもいない。頼りは懐中電灯の明かりだけ。
遠くからぼーっと光が見えてきた。あっ、人だ。声をかける。「おはようございます」。「おはよう。今日は寒いね」。いつもはオウム返しに同じ言葉が返ってくるのに、違った。その瞬間、顔は見えないけれど温かいものが伝わってきた。ちょっと言葉を足すだけでこんな気持ちになる。
(2011.05.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 林 治子
川を渡ってくる風は冷たい。錦川沿いの遊歩道には通ってきた土手の街路灯は届かない。いつもは気がつかない山の上の家々の明かりが点々と。あたりはまだ真っ暗。夜明け前と言っても東の空は白みかけてもいない。頼りは懐中電灯の明かりだけ。
遠くからぼーっと光が見えてきた。あっ、人だ。声をかける。「おはようございます」。「おはよう。今日は寒いね」。いつもはオウム返しに同じ言葉が返ってくるのに、違った。その瞬間、顔は見えないけれど温かいものが伝わってきた。ちょっと言葉を足すだけでこんな気持ちになる。
(2011.05.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載
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