私が7歳の時、父の貴重品である書道用大筆を遊び道具にしたので父が激怒した。
「誰だ」。私に向かって叱責。「怖い」。夢中で土間に飛び降り、夕暮れ時の庭に逃げた。
「どこへ?」。床の間の近くの雨戸が開いていたから、部屋に上がりほっと一息。私の早業に怒り心頭の父が笑顔になった。
その後、中学・高校で父から書を習い、さらに日展審査員のK先生に師事。大筆は私の必要品となり、現在まで数多い生徒たちとの出会いがあり、恩師はすでに他界。
思い出は脳裏に深く刻まれ、感謝の気持ちでいっぱいだ。
肝付町 鳥取部京子 2012/11/18 毎日新聞鹿児島版掲載
「誰だ」。私に向かって叱責。「怖い」。夢中で土間に飛び降り、夕暮れ時の庭に逃げた。
「どこへ?」。床の間の近くの雨戸が開いていたから、部屋に上がりほっと一息。私の早業に怒り心頭の父が笑顔になった。
その後、中学・高校で父から書を習い、さらに日展審査員のK先生に師事。大筆は私の必要品となり、現在まで数多い生徒たちとの出会いがあり、恩師はすでに他界。
思い出は脳裏に深く刻まれ、感謝の気持ちでいっぱいだ。
肝付町 鳥取部京子 2012/11/18 毎日新聞鹿児島版掲載