風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

仏教遍歴の老人

2022年01月06日 10時04分57秒 | 随想

宗教には関心が無かったが、両親の葬儀を担当したので、檀家制度に基ずく浄土真宗との縁が出来た。檀家制度は今風なら岡崎市役所に住民登録する事だったのだろうが、葬儀の時だけ復活する不可思議な制度になった。

心の問題の宗教は戦後憲法の信教の自由でその範囲が無尽蔵となり、一人一宗教の様相を呈し、公的機関では手に負えないから無視するので、心が荒みモノで栄える国になったのだろう。

競争社会の名の下に争いが絶えない世間は、和を以って貴しと為す聖徳太子の大和魂を駆逐し、経済一辺倒の単身教が一世を風靡しているのは嘆かわしい。

前世の因果の現世は貧乏暮らし、後世は如何なるのか、老人の悩みだった。後生の一大事、その問題解決を迫られる年齢になった。

日本仏教一三宗に興味を示し、墨蹟朱印集めを口実に巡拝したのだった。初詣の伊勢神宮や比叡山の夏の参禅会や千日回峰行者の追っ掛け、美濃加茂正眼寺の山川宋玄禅師の法話拝聴、四国遍路、西国三三観音巡拝等々、神社仏閣訪問の旅を繰り返した。

そして両親や弟夫妻を浄土真宗の流儀で極楽浄土に見送った影響で、親鸞聖人の仏教解釈に染まったのである。

お釈迦様が娑婆に現れ説かれた仏教は、数多の仏の中の仏である阿弥陀様の本願を信じ、全てをお任せする絶対他力に信心決定する。

西方十万億の仏土をすぎた彼方の極楽浄土に旅立つ日が来るのは決定されているが、何時なのかは未定で予定が出来ない。


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