峰の白鷺、比叡のお山の千日回峰行は7年目の最終の山内七里半は75日で満行とする。千日が実際は975日で25日不足する。不足分は命ある限り、天地人の為に祈る。
残り僅かと懸命に頑張る行者、帰ってくると境内は信者で溢れている。そして師僧が修行の短縮を告げる人間ぽい優しさがある。科学でなく宗教。
少年院のスミス、足が速い。院長は己の職務の成果の為に、功名心の為に、少年を優秀なマラソン選手に育てる。
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湖西線の比叡山坂本駅から半時の徒歩で坂本ケーブルの駅に到着する。恵諦座主命名の縁・福号は延暦寺駅に届ける。
学生数人が駅を出る。通り過ぎる若き僧侶。
「ええな~、坊主丸儲けというやないか」と罵声を浴びせる。
「待ちなさい」
吃驚し立ち止まり振返る眼には怯えがある。暫しの沈黙。
「お説のとおり・・・坊主はいいぞ。どうだ、諸君も一丁やってみるか」
若者たちに返答は無く、顔を見合わせるばかり . . . 本文を読む
小食・粥座は朝食・中食・斎座は昼食・非食・薬石は晩御飯で、寺の食事を頂く修行である。お釈迦様の故郷のインドは気温が高く、朝の托鉢の食料は夜まで持たない。だから朝・昼の2回の食事だった。坊さんの奉仕活動が増加した現代は、体力を維持する為に、夕食を摂る。食に非らず、医食同源の薬品であるから、非食とか薬石と述べる。朝食や昼食は作法が厳しく、食前に般若心経など正座の斎食儀が20分ほど続くが、晩御飯は簡単で . . . 本文を読む
両親が霊界に旅立ち、彦根市に転勤した時、諸行無常を実感した。世間は移り変わり、環境は変化し、絶対に確実な存在は無い事を分かるのが、空観である。又多くのお陰で生かされている私を発見する諸法無我も空の心である。 そんな時期の滋賀銀行メセナの参禅会の案内は、手書きの美しい女文字の芸術で、筆者の妙齢のご婦人への好奇心が比叡山に登らせ、連続七年の夏の一日を過ごす端緒を開いた。 山田恵諦師の命名の縁号、福 . . . 本文を読む
比叡山の千日回峰は五年目、700日が終了すると、九日間の堂入りが待っている。食・水・眠・臥を断つ荒行で大衆は三日で死ぬ。
満行して六年目は赤山禅院往復60キロを百日。七年目の前半百日は全行程84キロにおよぶ京都大回り、後半は山中回峰道30キロの合計975日で終了する。25日分は利他行のライフワーク。
土足参内は行の創始者・相応和尚が草鞋で駆けつけ、皇后の病気を祈祷で平癒させた故事に従う儀式であ . . . 本文を読む
比叡山に千日回峰行がある。バブル景気が弾けた平成4年に居士林の参禅会に参加して知った。故人の光永澄道和尚の近江八幡伊崎寺の早朝護摩供に数回参列した。参禅の帰路、本坂を下ると途中に南善坊があり、住職が光永覚道大行満大阿闍梨で、光永流の行の後継者である。他に律院の叡南の名跡がある。最近、覚道師がNHK心の時代で報道された。夜中に山中を30km歩くが、現代人は正確に測量して嘘と行者を非難する。千年以上前 . . . 本文を読む
レーガン、ミッテラン大統領、ダイアナ妃の誕生。毛沢東思想否定で走資派の台頭、スペースシャトルが初任務、ベンチがアホ発言や宇野ヘディングのプロ野球。千代の富士全盛の大相撲は1981年で時代の転換点だった。
早春、ヨハネ・パウロ2世が来日、最澄の「忘己利他」で世界平和を訴えた事に感激した山田恵諦天台座主が宗教サミットを開催した。その時の秘書が半田孝淳現座主で、NHKの心の時代に出演した。
対話を継 . . . 本文を読む
メセナの語源はローマ帝政時代の初代皇帝アウグストゥスの政治参謀で貧乏芸術家を援護したガイウス・マエケナスの名に由来するフランス語である。
1990年代初頭のバブル景気の頃には、金に糸目を付けない派手なメセナ(企業の行う社会貢献活動)が盛んに行われた。
転勤で彦根市に住んだ「おいら(私)」は、バブル景気に懐疑的になり、滋賀銀行メセナの「けいぶん」主催である比叡山延暦寺居士林の参禅会に応募したが、 . . . 本文を読む
千日回峰行は、滋賀県の比叡山延暦寺の修行である。天台宗HPから転記する。
「相応和尚により開創された回峰行は、文字どおり、比叡山の峰々をぬうように巡って礼拝する修行です。この行は法華経中の常不軽菩薩(じょうふぎょうぼさつ)の精神を具現化したものともいわれます。常不軽菩薩は、出会う人々すべての仏性を礼拝されました。回峰行はこの精神を受け継ぎ、山川草木ことごとくに仏性を見いだし、礼拝するものです。回 . . . 本文を読む
学校を卒業・宮仕えをして、より多くの給料の為に自分を殺して、働き蜂に徹し、寝食を忘れて労働を続け、55歳の定年を迎えた。その時に、「私は何者なのだ」との疑問が湧いたのである。以前に見たNHKの千日回峰の記録「行」を思い出し、比叡山延暦寺の西塔居士林の参禅会に参加した。以後8年8回参加することになる。 千日回峰行は7年間で夜中比叡山中を千日間、毎日七里半歩く歩行禅である。禅は座り続ける座禅が一般的 . . . 本文を読む