風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

オブリガード=ありがとう 339号

2008年08月14日 18時52分08秒 | 随想
1908年笠戸丸で最初にブラジルへ渡ってから太平洋戦争まで、戦前の移住者は27万人でコーヒー園の労働で蓄財し、母国日本に錦を飾って帰るつもりだった。夢破れ、2世に夢を託した人々は世界最大の日系人コミュニティを形成した。

1990年の入国管理法改正により、多くの日系ブラジル人が職を求めて来日した。

経済戦争中の日本に住むブラジル人の数はほぼ31万人で、中国人、韓国人についで多く、TOYOTAの自動車生産の肉体労働で蓄財して、母国ブラジルに錦を飾り帰国するつもりでいる。豊田市の保見団地では、居住者のほぼ半数の4000人がブラジル人で、日本一のブラジル人社会を形成している。

キリスト教国のブラジルはリオのカーニバル(謝肉祭)が有名である。

復活祭は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目によみがえったことを記念する重要な祭礼である。46日前(四旬とは40日のことであるが、日曜日を除いて40日を数えるので実際には46日前からになる)が四旬節で、伝統的に食事の節制と祝宴の自粛が奨励される。四旬節に入る前に祝宴を行う週間がカーニバル(謝肉祭)である。

北半球では春であるが、地球の反対側、昼と夜、夏と冬というようにすべてが逆転している国ブラジルでは夏のお祭りになる。

日本の夏は先祖の復活祭の盆踊りが盛んな時期である。郡上八幡の徹夜踊り・「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々…」の四国徳島の阿波踊り、越中八尾の「おわら風の盆」。

過去の貧困で抑圧された感情が一時に噴出する退廃のリオのカーニバルは動の、仏教に起源を持つ盆踊りは、伝統の静の祭りの印象がある。

国際化社会は混合撹拌して均質にするのでなく、伝統を貫き、お互いに認め合うことが大切である。そしてお互いが感謝しながら付き合わないといけない。

日本語の「ありがとう(アリガート)」の語源は、ブラジルの言葉の「オブリガード(ありがとう)」との説がある。

法句経に「人の生をうくるはかたく、死すべきものの、生命あるもありがたし」

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