MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

箱灸用もぐさテスト〜科学的な方法への要求〜

2015-09-20 17:40:56 | 鍼灸術・手技療法術
 箱灸用のもぐさをいくつかテストした。自身の経験の限界を実感する。

 当初、温灸用もぐさ(知人にもらったもので、温灸用としては一番品質の劣るものだと思える。おそらく中国製)と棒灸(中国製で粗悪もぐさ)の煙が酷かった(通常のもぐさと違って茶色い煙が出る)との経験から、中国製の温灸用もぐさは喉が痛くて耐えられない。との思いから、国産の温灸用もぐさの最上級品をと考えたのだが、同僚の鍼灸師の経験からの助言で点灸用の最下級品を温灸用として使った。

 しかしながら、それでは煙の問題は解決したものの学校で試した粗悪もぐさほどの温度と温熱の持続がなかったので、国産温灸用もぐさの最上級品を試したが、点灸用よりは良いもののやはり温度と温熱時間の持続が不足との思いして、小林老舗よりサンプルを取り寄せて試した。

 小林老舗の温灸用のもぐさのサンプル(特級、上、中、並。これら等級はメーカー独自の基準。)をテストした結果。温灸用もぐさは点灸用もぐさと比べて明らかに、燃焼温度が高く、燃焼時間が長い。具体的には、特級(13分)上(15分)中(16分)並(20分)、小林老舗 点灸用上級(9分)佐藤竹右衛門 温灸用もぐさ 和灸上級(10分)、等級が下がるに従って高温になり煙も酷くなる。また、熱さで施灸時に箱灸の場所の移動が必要であった。

 結局、小林老舗で箱灸用もぐさとして推奨されている温灸用「中」が、温度、温熱の持続時間、煙等のバランスが一番いいとの結論になった。煙のことを考えると「上」かと思うが。メーカーの推奨は、個人の経験の集積であり、経験を超えたものであると思えた。

 また、この箱灸用もぐさの自身の選定の過程は、「弁証法はどういう科学か」の冒頭部分「科学的な方法への要求」で説かれる、「問題の解決にあたって、誰もが手びきとするのは過去の経験です。自分はかつてこうやって成功したとか、誰々はこうやって失敗したという事実をしらべて、こうするのはよくなかろう、こうしたらうまくいくだろうと、その方向ややりかたを工夫します。」部分そのものだと思えた。

 自身の対象への切り込みかたは、経験的なありかたそのもののレベルでしかないと、箱灸用もぐさ選びで、自身のアタマの働きを改めて知ることとなった。

一番上が佐藤竹右衛門の温灸用もぐさ、和灸 上級。以下、時計右回りに小林老舗の温灸用もぐさ特級。上。中。並。


箱灸のもぐさの一回使用量。
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