鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

人間の病とは〜「新・頭脳の科学」に学ぶ、病の二重構造〜

2015-12-26 23:53:49 | 日記
 「新・頭脳の科学(下巻)」では、病の二重構造について説(解)かれる。頭脳の問題を抜きにしての医学など、それが西洋医学とは違った体系を持つ東洋医学であっても、それが人間と人間の病を対象とするものである上、有り得べくも無いということ痛感される。

 今回、「新・頭脳の科学」を読み返すことで、頭脳の問題の人間にとっての大事性が、次第次第に分かってくることで、東洋医学においても、頭脳の問題を無視してはならないのでは無いか?との思いが強くなってきていたのであるが、一方で、東洋医学の立場から頭脳の問題に正面から取り組んでいくということを真面目に考えると、それは、東洋医学の体系に頭脳の問題を取り入れるといった付け焼刃的な対処ではどうにもしようが無い問題であり、東洋医学の体系を一から構築していくに等しい研鑽を積まねばなら無い。であろうと思え、果たして自身にそんな大それたことを成すだけの能力があるのだろうか?それ以前に、それだけの時間が自身に残されているのであろうか?との思いが次第に大きくなって来ていた。

 しかし、である。「新・頭脳の科学」を下巻へと読み進めていくと、第六編、第一章、第一節では、「人間の認識は文化とともに病気をも生みだした」として、人間の固有の病は動物の病と違って、認識が生み出したものである。ということが説(解)かれる。
 ここに説(解)かれることを読むならば、頭脳の問題を無視乃至は等閑視してしまっては、人間の病気というものは決して本当には分かり得無いだろうということが痛感される。

 確かに、未だ東洋医学の全体像すら描き切れない自身が、現在、そのことをどうすることも出来ようが無いのではあるが、その道がいかに大変であったとしても、東洋医学、鍼灸に関わっていく以上は・・・・・・と思う。

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