東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

鍼灸問答(5-3/3)〜脈診を歴史的形態で視る〜

2019-04-16 15:11:47 | 鍼灸問答
(大先生の説く脈診の原点)

生徒)大先生、今お時間よろしいでしょうか?

大先生)ふむ。君か。脈診って何かって質問だったよね。

生徒)あと脈診って正しいのかってこともお聞きしたいです。

大先生)わかった。何から話せばいいか......。脈診にも脈状診と脈差診の二種類あるのはわかっているね。そして、脈差診にも二種類あって、三部九候診のように離れた場所の脈状を比較するものと六部定位診のように、手首の橈骨動脈拍動部という二寸くらいの狭い場所を分けて比較するものとがある。

で、君が疑問に思うのは、六部定位診だったね。そんなことで全身の状態(虚実)がわかるのか?だったね。

生徒)はい。

大先生)結論からいえば分かる場合もあれば分からない場合もある。

生徒)え!?それは六部定位診が正しい、本当だってことですか???

大先生)そこは認識論的な解説が必要なんだが、認識は問いかけ的反映であるから、問いかけが正しければ反映である脈診の結果も正しいということがあるだろうね。

生徒)???

大先生)認識論の基本も学んでない、知らないのでは、わかりようがないよね......。

まずは、脈診を歴史的形態で見ることから解説していこうか。

生徒)お願いします。

大先生)君はもしかしたら、脈診というものが最初からあったと思い違いをしていないかな?

生徒)?どういうことですか?

大先生)だってそうだろう。脈診って人間が創ったものなんだから、脈診の無い時代があって、それから、なんらかの必要性があって脈診は誕生させたれた、と考えるのが当たり前だよね。

生徒)はい。

大先生)そのあたりの歴史的な事細かなことは、例えば『漢方の歴史』『鍼灸の歴史』(ともに小曽戸洋著 あじあブックス刊)を読んでもらうとして......大事なことは、人類としても個としても、脈診というものは診断ということが可能になっていった後のものだということだ。

つまり、例えば個人の問題としていえば、脈診が無くても十分に診断がくだせる診断力があっての、脈診での診断なのであり、それゆえに脈診での診断に基づいての施術に効果がある、ということになる筈である。

生徒)そんな......。

大先生)では聞くが、逆に脈診以外の診断(望診、問診、聞診、切診)の能力が皆無で、脈診だけはしっかりと出来る、という先生がおられるだろうか?

生徒)......。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タイガーウッズ復活〜捲土重来〜 | トップ | 一人問答について〜陰陽論で... »
最新の画像もっと見る