MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

「旧・東概」まとめ(13-1)〜2.病理と病証、1)八綱病証〜

2015-11-13 21:30:30 | 鍼灸理論・東洋医学
 「第3章 東洋医学の疾病観」の「2.病理と病証」の「1)八綱病証」のまとめ。(以下『』内、要旨)

 『八綱病証とは、病を陰陽で分類したものであり、病位(表・裏)病情(寒・熱)病勢(虚・実)で捉え、最終的にはそれら表裏、寒熱、虚実を総合して、病を陰陽として捉えるものである。』

 『(1)病位の違いでとらえる。

 東洋医学では、外邪による病は体表部から侵入し、次第に深くへ入っていくと(病の進行を)捉える。
 病位の違いによって、表証、裏証、半表半裏証に分類する。
 
 表証:病が、表位(皮膚や皮下、また四肢や頭、肩背部)に存在する時、これを表証という。外感病の初期に現れる。
 症候:悪寒、発熱、頭痛、項強、腰背痛、四肢関節痛。脈浮。
  
 裏証:病が裏位、身体の最も深い部位に存在する時、裏証という。
 症候:悪熱、口渇、便秘、腹部膨満、腹痛、下痢。舌苔厚。脈浮。

 半表半裏証:病が表と裏の中間位(横隔膜に隣接する臓)に存在するとき半表半裏証という。多くは、表位から裏位へ至る過程で現れる。
 症候:往来寒熱、胸脇苦満、口苦、咽乾、眩暈。脈弦。』

 『(2)病情によってとらえる。

 A.寒熱:体内の陰陽気が偏ることで生じる病情。客観的な体温のみの寒熱を言うのではない。

 「寒」とは、自覚的他覚的な冷えのあるものを言う。
 症候:悪寒、手足の冷え、顔面蒼白、寒性の下痢、小便が澄んで量多、唇の色は淡白。舌苔は白で湿潤。脈遅。

 「熱」とは、自覚的他覚的に熱があるものをいう。
 症候:発熱、煩躁、顔は赤く火照る、大便秘結、小便は赤濁して量少、口渇。舌苔黄。脈数。』

 『B.虚実:病の過程におけつ邪気と正気の闘争、邪正の盛衰の現れ。
 
 「虚」とは、正気の不足。邪気に対する抵抗力が無いので、激しい症状は無い。
 体質的には、骨肉がすんなりして、かぼそく、胃腸が弱く、無力的な人に多く見られる。
 症候:呼吸、語勢が弱い。自汗、下痢、小便瀕数、筋肉弾力なし、喜按(痛部を按じると軽快して喜ぶ)。脈濡、弱、微、虚。

 「実」とは、邪気の旺盛さを主とする病理の反映。この場合は正気も比較的旺盛なので、正邪の闘争が激しく、症状も強く出る。外邪による病の初・中期、及び痰、食、水、血などの滞りによる病証に多く見られる。
 体質的には、骨肉ががっしりとして、胃腸が丈夫、生命力の旺盛な人に見られる。
 症候:呼吸、語勢が荒く強い、無汗、便秘、小便少、筋肉弾力あり、拒按(痛部を按じると増悪し拒む)。脈弦、洪、滑、実。』

 『C.陰陽:陰陽とは、表裏、寒熱、虚実を総合したもの。すべての病は陰陽に分けることができる。
 
 「陰」とは、生体反応が弱っている病情。裏証、寒証、虚証がある。
 症候:顔色蒼白、気分沈鬱、活気なく、言葉少、手足縮める、悪寒や冷えを訴える。舌質は淡胖(胖:肥大したさま。「漢辞海」による意味。教員に確認済み。ブログ筆者)。脈遅、弱、細、微。

 「陽」とは、病に対する生体反応が強く出ている状態。表証、熱証、実証がある。
 症候:顔面紅潮、活気がある、言葉多い、手足伸ばす、炎症、充血、発熱。舌質
紅。脈浮、数、滑、洪、実。』

 「八綱病証の図」


 以上を要するに、八綱病証とは、陰陽で「病位」「病情」「病勢」の三つの観点から患者の症状を見て、「病位」=(表裏)、「病情」=(寒熱)、「病勢」=(虚実)という陰陽に分けていって捉えることで、添付した図のごとくに、八つに分類して捉え、それを再度、統合して陰陽に収斂させたものである。と思う。
 
 最終的に、分類したものを再度、統合して、すべての病を陰陽に収斂させるということの意義。鍼灸の治療の基本が補瀉である。ということとの統一で考えてやる必要があると思える。

 病の把握・分類は、把握・分類。治療は治療と捉えるのではなくて、両者を対立物の統一として、歴史的に相互浸透的な発展の過程を持った結果の病の陰陽としての捉えであり、治療の補瀉である。と捉えることが必要であると思う。このことは、治療論のまとめの後に改めて考えたい。

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