絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2022年7月16日(土)イラストレベルアップコース・山内庸資先生の授業内容

2022-07-20 15:55:41 | イラストレベルアップコース

今日の山内庸資先生の授業は、ゲストにフリーの編集者・竹内厚さんをお迎えして、

お二人の先生による対談形式のスペシャルな授業です。

竹内さんは、季刊誌や小冊子を作ったり、雑誌の記事執筆やウェブのお仕事なども手掛けておられます。

過去にはサタケシュンスケ先生にもインタビューをして、記事を書かれたことがあるそうです。

始めに、関西の出版社・編集者事情から、仕事の内容や流れなど、具体例を挙げながら分かりやすくお話していただきました。

(以下、敬称を省略させていただきます)

山内:今日はイラストをテーマにお話しを進めましょう。

竹内:編集の観点から見て、イラストは好きです。効かせることができるので、使いたいですね。

   雑誌などは、写真+テキストの組み合わせが基本で、メリハリをつけるのに限界があります。

   そこへ違ったニュアンスを入れたいとき、イラストを持ってくるのは効果的なんです。

山内:イラストレーターを探す方法は? どうやって見つけているんですか?

竹内:もともと、雑誌のコラムでアーティストの取材をしている関係もあって、ギャラリーや展覧会に行くことが多く

   直に作品を見て、それをきっかけにお願いすることが多いですね。

山内:SNSではなく?

竹内:これは僕の場合ですが、SNSは切り取り方や伝え方で良いように見せられるので、少し信用性に欠けます。

   取っ掛かりにはなりますが、決め手にすることはないです。他の方はどうかな…

   デザイナーさんが検索することもあります。イラストレーター事情は、時代によりますね。

山内:僕がイラストレータになった10年前は、SNSを活用する人はまだ少なかったですね。

竹内:SNSはツールだから、合う・合わないがあるし、見つけてもらうことはあっても待っている状態だから…

   自分からデザイナーとの接点を持つ、自分から行く方が良いですね。

   作品を見せると言っても、電話してポートフォリオを持っていくだけじゃないですよ。自分に合うやり方は色々あります。

山内:その、自分が何に向いているのか、生徒の皆さんが一番悩むところです。

   自分を客観的に見れる視点は、どうやって獲得するんでしょう?

竹内:うーん、難しいですね。

   山内さんの、絵のテイストを決めているのはもちろん強みだけど、それが窮屈じゃないですか?

   仕事以外で描く絵は違う、とか…?

山内:僕は、小さな積み重ねを楽しく感じる性格なんです。

   仕事じゃない部分では、映画や音楽イベント、トークショーなど、絵以外のインプットをしています。

竹内:画家からイラストレーターになって、このスタイルにしようと決めたタイミングは、何かきっかけがあったんですか?

山内:好きな画家の展覧会をアメリカに見に行ったんです。

   行ってみて一番良かったのは、街の公園の成り立ちや、公共の看板に作家のイラストがあるのを見て。

   そこから、イラストレーターやデザインを考えるようになって、建築の講習会にも行きました。

   日常風景の一部として、サインに使われてもおかしくないような絵を目指し、10年経って図書館のサインに使われるようになりました。

竹内:明快ですね!

   目立ちたい人、ひっそりと愛されたい人、1点モノで売りたい人…自分がどういう風になりたいか、

   客観視と言うよりは、自分の欲望からゴールを決めて逆算すると、どんな風にすれば良いか自ずと見えてくるのでしょうね。

   それに、自分の見る目と人の見る目は違っているものですから、決められないのは当然かもしれません。

   仕事で重なっていくものが求められるものなので、外側から分かっていくものであって、無理して自分で絞らなくて良いと思います。

   編集の立場からすると、お互いに格闘して、世界を広げて行きたいところです。いろいろ見せてほしいですね。

山内:今のイラストレーター事情をどう感じますか?

竹内:圧倒的に作品が売れています! 1点モノの作品を売るイラストレーターも多いし、実際売れていますよ。

   イラストレーターはクライアントワークメインだったのが、SNS効果も手伝って、売る機会も増えましたね。

   個展の場合も、昔はポートフォリオ的な展覧会だったのが、今は作品を売る展覧会になっています。

   イラストに限らず、今、アートフェアが盛り上がっていて、熱気がすごいんです。アートを買うのが日常化していますね。

   作品の展開も、Tシャツを始めコラボの靴だったり、着物から車まで、媒体も多いです。

ご紹介したのはお話しの一部ですが、他にも貴重なお話をたっぷりと聞くことができました。

 

ここからは、生徒さんからの質問コーナーです。たくさんあったので、お二人で答えてくださったQ &Aの中から抜粋しています。

 

Q:編集とデザインの仕事の違いは?

A:重なっているところもありますが、デザイナーは、レイアウトして、整えていく仕事で、

   編集者は構成を考えたり、ページ割をしたりして、整えたり、散らかしたりする仕事ですね。

Q:絵に色んな意見を言われたり、流行りの絵を見て引っ張られたり、情報過多でどう整理したらいいの?

A:部屋に閉じこもるより、外に出て見た方が良いです。

   どう使うか、どう生きてくるかわからないけど、情報は浴びても大丈夫です。

   自分の絵を見せて人の話を聞くことも大切です。仕事の場合、クライアントの言うことを聞きすぎるから迷うんです。

  そのまま聞く必要はないですよ。言われたことが積み重なって、反映されて少しずつ変わっていきますから。

  何に感化されるかのバリエーションが、作家らしさに繋がります。

 

最後に、皆さんの作品を見てもらいましょう。売り込みの練習も兼ねています。

お二人の先生の暖かい雰囲気のおかげで、生徒の皆さんもリラックスしてプレゼンできていました。

しなやかな竹内さんと、頼もしい山内先生にご意見もいただき、それぞれに得るものがあった今日の授業でした。

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絵本とイラストを学べる「絵話塾」からのお知らせです。
 
7月の絵話塾のガイダンスを下記の日程で行います。
 
各回5名で興味のある方は、ギャラリーVie絵話塾までお問い合せください。
 
皆さん待っています!
 
7月 23日(土)…11:00~
  24日(日)…14:00~と17:00~の2回
  30日(土)…11:00~
  31日(日)…14:00~と17:00~の2回
 
よろしくお願いいたします。
 
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