本日は、はやしますみ先生の初回の授業です。
「私もみんなと同じように、絵話塾に通っていて5期生だったんですよ」
絵話塾に通っていた時のお話しをお聞きしました。
「全ての授業に出席して、課題は全部仕上げる、そして一番前に座る」を目標に一年頑張ったそうです。
はやし先生のデビューのきっかけはコンペです。
絵話塾の修了展で展示した絵本『ねーねーのしっぽ』を、ピンポイントギャラリーが主催の絵本コンペに応募して優秀賞を受賞されました。
ピンポイントギャラリーで展覧会をし、そのあと絵本が出版されるのですが、当時のお話もお聞きしました。
絵話塾卒業生のはやし先生から、実際にお話が聞けるいい機会ですね。
はやし先生の授業は4回あって、残り3回の授業でダミー本を発表します。
最後の授業でダミー本を完成するまでが目標です。
『たんぼレストラン』を読み聞かせていただきました。
生き物図鑑のような『たんぼレストラン』は、ダミーを作る前に実際にゲンゴロウやタガメを飼って観察したり、生き物に触れてスケッチを沢山描いたそうです。
絵本の土台をしっかり作ってから、ダミーを考えるとおっしゃっていました。
『たんぼレストラン』は、アイデア出しから出版まで5年かかり、ダミー本も20冊くらいはあるそうです。
皆さん、想像していたよりも、絵本を出版するのが大変なのかが、分かったようでした。
『ねこぼん』は、郡上八幡の盆踊りの取材にも行って、いろんな発見があったようでした。
初めは文章を横書きで書いていたのですが、会話文を活かすのに縦書きに変えることになって、
縦書きに合う絵を描き直したというエピソードをお聞きしました。
そして、絵本を作っていく上で重要な点を教えていただきました。
絵本のストーリーが進む方向によって、縦書きか横書きかが決まります。
絵本のダミーを考えるときは、描きたい場面をまず考えてから、話を膨らませるといいですよ。
はやし先生の授業は「直し力」を鍛える授業です。
・絵本のダミーを1年間かけて作る。直すのがメインと思ってほしい。
・基本は15場面ですが、作りたい話を見つけて磨いてください。
・初めからきっちり描き込むと、捨てられなくなるので、ダミーはラフでいいです。
はやし先生は、ダミーを描くときクレヨンで描くそうです。コピー用紙に白色を前面に塗ってから、黒やグレーで絵を描いていくのですが、描き直す時はティシュで拭き取ることが出来るのだそうです。
本日はたくさんのダミー本を見せていただきましたが、クレヨンを重ね塗りしているので、一枚の厚みにビックリしました。手に取ってじっくりと見ることができて良かったです。
後半の授業では、「絵のかたまり」 の説明をお聞きしました。
絵本には「絵のかたまり」と「動き」を意識する(に気をつける)。
黒い紙をランダムに手でちぎって「絵のかたまり」を作ってみましょう。
何かの形が見えてきたら、白いペンで描き込みますが、なるべく手数を少なくして表現しましょう。初めのインスピレーションを光らせて考えて見てくださいね。
絵本の絵は、写実的に描くよりフォルムで形を表し、かたまりを意識して描く方が、楽しい画面として描くことが出来ます。
次回はダミーの発表と、動きのワークショップをします。
絵本のダミー(モノクロ)と、動きのある絵本を持ってきてください。
ずっと見ていて飽きない絵は、何があるのか?を探ってみます。
この一年で、一つのものを作り込んでいく。
最初に作ろうと思ったものを最後まで仕上げる、「直す力」「やりとげる力」を身に付けてほしい。
とおっしゃっていました。