絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年10月4日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業内容

2023-10-05 14:44:36 | 絵本わくわく塾

本日は、はやしますみ先生の初回の授業です。

「私もみんなと同じように、絵話塾に通っていて5期生だったんですよ」

絵話塾に通っていた時のお話しをお聞きしました。

「全ての授業に出席して、課題は全部仕上げる、そして一番前に座る」を目標に一年頑張ったそうです。

 

はやし先生のデビューのきっかけはコンペです。

絵話塾の修了展で展示した絵本『ねーねーのしっぽ』を、ピンポイントギャラリーが主催の絵本コンペに応募して優秀賞を受賞されました。

ピンポイントギャラリーで展覧会をし、そのあと絵本が出版されるのですが、当時のお話もお聞きしました。

絵話塾卒業生のはやし先生から、実際にお話が聞けるいい機会ですね。

はやし先生の授業は4回あって、残り3回の授業でダミー本を発表します。

最後の授業でダミー本を完成するまでが目標です。

 

『たんぼレストラン』を読み聞かせていただきました。

生き物図鑑のような『たんぼレストラン』は、ダミーを作る前に実際にゲンゴロウやタガメを飼って観察したり、生き物に触れてスケッチを沢山描いたそうです。

絵本の土台をしっかり作ってから、ダミーを考えるとおっしゃっていました。

『たんぼレストラン』は、アイデア出しから出版まで5年かかり、ダミー本も20冊くらいはあるそうです。

皆さん、想像していたよりも、絵本を出版するのが大変なのかが、分かったようでした。

 

『ねこぼん』は、郡上八幡の盆踊りの取材にも行って、いろんな発見があったようでした。

初めは文章を横書きで書いていたのですが、会話文を活かすのに縦書きに変えることになって、

縦書きに合う絵を描き直したというエピソードをお聞きしました。

 

そして、絵本を作っていく上で重要な点を教えていただきました。

絵本のストーリーが進む方向によって、縦書きか横書きかが決まります。

絵本のダミーを考えるときは、描きたい場面をまず考えてから、話を膨らませるといいですよ。

 

はやし先生の授業は「直し力」を鍛える授業です。

・絵本のダミーを1年間かけて作る。直すのがメインと思ってほしい。

・基本は15場面ですが、作りたい話を見つけて磨いてください。

・初めからきっちり描き込むと、捨てられなくなるので、ダミーはラフでいいです。

はやし先生は、ダミーを描くときクレヨンで描くそうです。コピー用紙に白色を前面に塗ってから、黒やグレーで絵を描いていくのですが、描き直す時はティシュで拭き取ることが出来るのだそうです。

本日はたくさんのダミー本を見せていただきましたが、クレヨンを重ね塗りしているので、一枚の厚みにビックリしました。手に取ってじっくりと見ることができて良かったです。

 

後半の授業では、「絵のかたまり」 の説明をお聞きしました。 

絵本には「絵のかたまり」と「動き」を意識する(に気をつける)。

黒い紙をランダムに手でちぎって「絵のかたまり」を作ってみましょう。

何かの形が見えてきたら、白いペンで描き込みますが、なるべく手数を少なくして表現しましょう。初めのインスピレーションを光らせて考えて見てくださいね。

絵本の絵は、写実的に描くよりフォルムで形を表し、かたまりを意識して描く方が、楽しい画面として描くことが出来ます。

  

 

次回はダミーの発表と、動きのワークショップをします。

絵本のダミー(モノクロ)と、動きのある絵本を持ってきてください。

ずっと見ていて飽きない絵は、何があるのか?を探ってみます。

 

この一年で、一つのものを作り込んでいく。

最初に作ろうと思ったものを最後まで仕上げる、「直す力」「やりとげる力」を身に付けてほしい。

とおっしゃっていました。

 


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