やまめの庭つくり

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

樹木を活かす

2009-11-03 | 造園
このケヤキ・・・



もとは12メートル以上あった立派な樹だったらしいですが,ジャマになったので切られてしまったそうです.

三溪園で見た「枝下ろし」作業とは全く違います.

ただ,「切った」だけ.

こんな風に幹のようになっているところまで強く切りつめると,芽が新しく吹いても,そのまま枯死してしまう場合があるということです.

造園の職人さんは,こんなふうには絶対切りません.

もっと上の枝のところを切って,新しく芽を吹かし直して全体の形や丈を調整するのです.

伸びすぎると,風通しが悪くなったり,倒れやすくなったり,形が悪くなるので,樹をリフレッシュさせてあげるわけです.

・・・残念な状態ですnose3

樹をこんな目に遭わさないように,庭のデザイン,設計をするときの既存樹の取り扱いはとても大切です.

移植可能か,時期は,準備期間は,養生する場所は,期間は・・・色々と考えることはいっぱいです.

でも,このようなことをきちんと考えることによって,施主の方にとって思い出深い樹を残してあげられるかも知れません.

先日のランチの時の話題も,家の改築工事の際,ついでに庭も直したら,どの樹も移植が難しいと言われて,ずいぶん好きな樹が消えることになった・・・という話がありました.

既存の状態から,どれだけ思い出や好みに対応した植栽をしてあげられるか,喜んでいただけるか・・・

「デザイン」の他にこのようなことについて考えるのも大切なことです.

樹木というのは長年のひどい手入れが徒となって,かわいそうな樹形のものがたくさんありますが,それでも施主の方にとっては思い出があり,日常生活の中のワンシーンを演出するのに大切な存在.

これからも枝下ろしや剪定の際,師匠の技を見て,盗んでいきたいと思いますkirakira2