やまめの庭つくり

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椿山荘の庭園

2012-06-10 | 造園
本日,日本庭園学会全国大会のシンポジウムにて,師匠が「椿山荘庭園の石造美術品(石灯篭,石幢,石塔)の特色について」講演しました.

やまめは発表のお手伝いで他の方の講演も聴くことが出来ました.

場所は椿山荘フォーシーズンズホテル.



国際会議のように,ひとりひとりの席にマイクが付いていて,立派な会場です.

お手伝いで失敗しないといいなぁと思っていたのですが,タイムキーパーとしては十分な働きが出来ずalienase



シンポジウムのテーマは「椿山荘の文化と庭園」でした.

師匠の講演の前にMさんによる,椿山荘の歴史,藤田一族,山形有朋の人物像,故郷の萩の椿と椿山荘の関係などについてのお話.

師匠の講演で,椿山荘の庭園にある美術的価値を持っている石像品についてカテゴリー別に一つ一つ本歌との差を説明してもらいました.

師匠の後はWさんによる,ガーデンデザイナーとしての山県有朋という切り口で無鄰菴,古稀庵,椿山荘の三名園を比較しながら,作庭家としての原点,原風景,思想などを出生地の萩まで出かけて調査した結果について.

人間としての山縣にその場にいたみんなが思いを馳せたのではないでしょうか.

庭を見るときに,施主や作庭者がどんな思いを込めて庭を作ったのか,なぜそうなったのか,背景にある事柄を調べて考えることで庭で表現したかったことや,意味を知ることが出来るという内容ですが,具体的な事例で説明されたので,なるほど,こんな風に調べるとこんなことがわかるようになるんだ・・・

という,手法の勉強にもなりました.

それから,「作庭家は自分が実際に見たものしか表現できない」とWさん.

たくさんの庭園を見ることで自然に作り手の意図を感じられるようになり,自分自身も表現できるようになる・・・かどうかはわかりませんが,実際の庭園に足を運ぶことはとても大切な事だと改めて感じました.