やまめの庭つくり

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桑名庭園見学

2012-06-19 | 庭園見学
5月20日に,去年も参加させていただいた金沢の庭師,樹仙堂さん主催の庭園見学会に参加してきました.

今年は岐阜県大垣市の郷士,桑原邸と,蛤で有名な三重県桑名市の豪商・実業家の,東諸戸邸と西諸戸邸,昭源寺庭園を見学してきました.

去年と同じく,レジュメは大変しっかりとしたものを配られて,庭の説明はもちろん,いえ,それよりも多く家の沿革,建築の説明,歴史的な変遷など,事細かに書いてあります.

下調べとか,資料づくりがとても大変だと思うのですが,そのおかげで後日になっても改めて勉強することができます.

ありがたいことです.



まず,岐阜県大垣市上石津町の桑原家庭園は,江戸時代末期(寛永12年,1800年),主屋増築の際に土地造成のために作庭されたと推定されるそうです.

「築山庭造伝」後篇の「真之築山之全図」に基づくものと考えられている,築山池泉観賞式庭園です.

中央に池があって,左右に滝が組んであり,右は山からの水を落とし,左は三段落ちの枯れ滝になっています.

写真は座敷から庭を見下ろしたところですが,右から順番に見ている景色と思ってみてください.


右側の滝が奥に見えます.太いスギが建物近くに迫っているので,庭の雰囲気は奥深い山のようです.

中央の池は底の土が自然に透水してしまうため,現在は水が溜まっていない状態です.残念・・・
ここに水があれば,苔や大木の緑と水,石の三位一体,幽玄の世界に導かれるような気がするかも知れません.



up中島の右側には,かなり朽ちかけている木製の橋が見えます.



部屋から庭を観ているところは,湿気対策がとても大変なんだそうです.

そう,ここは現在も桑原さんが住んでいらっしゃる生活の場なのです.

むしろ,そういう生活の場に200年以上前の庭がある,その方がすごいことだと思います.