やまめの庭つくり

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エステ荘3

2010-06-25 | イタリア庭園紀行
エステ荘の続き.

エステ荘といえば,必ず紹介される超有名な「百の噴水」.

三段の水路が上中下に重なって走り,噴水の舞台装置を構成しています.

これは,ピッロ・リゴリオが設計し,1565~1571年に制作されたそうです.



この噴水は,アルブネオ,エルクラネオ,アニエーネという,ティヴォリの3つの川の古代の流れを表現していると言うことです.



石が長い歳月と水の力で丸くなり,シダ植物で被われています.

パンフレットによると・・・・

当初は上段の水路の縁に沿って小舟の噴水があったり,1622年にはユリの花と鷲,オベリスクなどが加えられたりしたそうです.

中段の水路の背後にあるカベには,漆喰で出来た四角いパネルが次々に並べられ,オヴィディウスの「変身物語」のシーンが表現されていたそうです.

下段の水路の背後のカベには海の怪獣を表現するモザイクの装飾が並べられたが,動物の形をした仮面の口から水を出す噴水に代えられた・・・exclamation2

ということは,現在見られるものは当初のものとかなり違うということですねyellow25


そう,庭は時(自然の作用)と人(作り替える等)で,変化していってしまうものなんです.

でも,この緑に被われた噴水,いい感じに経年変化の影響を受けていると思いますkirakira2

そして,実際に100あるかどうか数えなかったのですが,この下段の動物(?)たち,みんな違う顔,表情ですyellow12

遊び心満載で,見る人を楽しませてくれます.




















作られた時代の気風なのでしょうか,イタリアの庭園は自由で楽しい仕掛けがたくさんありました.

明日も続く・・・



エステ荘2

2010-06-24 | イタリア庭園紀行
やっと・・・復活してきました~kirakira2

そのかわり,今度はtaroが同じくのど痛から始まる風邪になってしまいました・・・が,若いですから.
やまめのようにひどくはならないでしょう・・・

結局,風邪→気管支炎→発熱→ウイルス性胃腸炎と変遷し,未だに鼻水が出るものの,何とか普通にご飯を食べられるようになって5日目.

体力戻ってきた気がします~yellow19



さてさて,だいぶ間があいてしまったイタリア紀行.

エステ荘の続きです.

今日やっと写真の整理がほぼ終わったので,ドーンと紹介します!

まず,オルガンの噴水.

屋敷よりやや低い土地に建っているこの仕掛け.

屋敷からは樹々に隠れて見えません.



10時半から2時間おきに演奏されるというオルガンの音色.

一体どんな音色なのか・・・

時間が近づくと大勢の人が集まってきます.



やまめたちが聞いたのは14時半の演奏.

時間になると中央の仕掛けの蓋が開き,パイプオルガンの音色が響きます.

水の力でオルゴールでも動いているのかな?

日本語版のパンフを買ったので(まだ読んでませんyellow23),後日正しい内容を書き加えたいと思います.



オルガンの噴水といっても,噴水自体はわりと地味.



このオルガンの噴水から階段を下りると,バルコニーの様になっていて,更にその下の噴水と景色を見られるようになっています.



ちょうど高く上がる水の裏からずっと向こうの景色が見えます.



四角い池は養魚池です.

もう一段下がったところから見ると,







更に噴水の水を近くに感じられ,更に更に,ドーーーッ斜面を流れる水が!!

これは,滝ですねyellow25

水,といっても色々な表情が楽しめるようになっています.



下から見ると滝の迫力は弱まり,涼しい噴水がメインに見えます.





養魚池側から見ても,噴水は何にもジャマされず,完全に見えるようになっています.

こんな感じで見せたいと計算された演出なのでしょうか.



ここは1551年から1573年にかけて作られた庭園ですが,これだけの水の演出を高低差という自然の条件を使って可能にした当時の技術者にただただ感心してしまいます.

噴水はこれだけじゃありません.

まだまだまだ~yellow24kirakira

続きは次回です


療養中(T_T)

2010-06-16 | ノンジャンル
なかなかブログ更新できず,すみません.


イタリアから帰ってきて,自分なりに色々と片づけたいことがたくさんあり,毎晩遅くまで頑張っていたところ風邪をこじらせて気管支炎になってしまいました.

今日も熱と暑さでいやな汗かきながらゴロゴロしています.

さすがのやまめもやつれ気味です・・・

今日からアルバイトも行くつもりだったのに初日からキャンセル.

今週行けるのかどうか危ういところです.

早く元気になってねこまたさんに負けないようにイタリア庭園記もかかなければyellow24

ということで,あとしばらくお休みします・・・



エステ荘

2010-06-08 | イタリア庭園紀行
今日も画像抜きでとりあえず庭園の感想だけ述べたいと思います.

前回,一番気持ちが良かった庭園としてガンベライア荘をあげましたが,一番楽しかった庭園はティボリにあるエステ荘でした.

ここは世界遺産にもなっている大変有名な庭園で,1551年から1573年にかけてイッポーリト・デステ枢機卿が作らせた名園中の名園だそうです.

設計・起工は,ピッロ・リゴーリオで,この人物を中心に,当代一流の建築家,治水家,画家達が協力して作り上げ,水の庭園の傑作といわれています.

とにかく傾斜地という自然の落下力を利用した噴水のシステムに対して驚くのですが,園路をどのように歩いても飽きない水の演出があり,豊富な水量と涼しい水しぶきで耳と感覚も一緒になってわくわくしてきます.

かんかん照りの暑い日差しでも,噴水から細かい霧状になった水があたりを包み込んで爽やかになります.

オルガンの噴水といわれる噴水は,もともとやまめがイタリアの庭園を見に行きたいと思ったキッカケでした.

師匠が昔設計に関わった川口グリーンセンターの噴水のイメージのもとになった存在を直に見たかったので,大満足でした.

10時半から2時間おきにパイプオルガンの音色が噴水の中央部の仕掛けから流れてきます.

曲名はよくわかりませんでしたが4曲くらいの演奏を聴くことができましたkirakira2

それから有名な百噴水.

水の吹き上がり型が扇状だったり,細かったり,上に向かっていたり,下に流れたり・・・

水が流れ出る石にはよく見ると色々な動物や悪魔のような顔になっていて,とことん遊んでいるなぁ~yellow18symbol6

ここに来るまではイタリア庭園といえば傾斜を利用した水の仕掛けが見られる・・・といった程度の認識でしたが,今から450年以上前にこの規模の仕掛けを作り,勢いよく流れる水流が今も見られることに対して,本当に感動しました.

実は世界遺産の認定を受けるために荒れていた庭園をかなり修復したそうで,現在もあちこちで修理が続いています.

ガーデナーと治水家(という言葉が適しているかどうかわかりませんが)のコンビによって昔からの古い技術と景観を現在によみがえらせる作業です.

そのような作業が続いていること自体,素敵なことだと思いました.

次回,エステ荘の画像,アップしたいと思いますので,しばしお待ち下さい・・・



ガンベライア荘2

2010-06-07 | イタリア庭園紀行
先日画像を載せられなかったガンベライア荘の様子をアップしたいと思います.

緩い坂道を登っていくと,それらしき屋敷が見えてきます.



入り口についても門ふたつともしまったままです.

ここで外国人観光客の団体も困って立ち往生.



呼び鈴を押してみようとやまめが提案したら外国人のツアコンらしき人が「是非!」と目でうなづき,みんなで呼び鈴に集合.

はて,どちらのボタンを押すべきか・・・

悩んでいたらそこにいたみんなが「オフィス,オフィス」といいながら下のボタンを指さすので,あぁこれはオフィスのことか,と理解して押してみました.



誰か出てきてくれるのかと思いきや,左の小さな扉が電動でギィィィと無愛想な感じで開いたので,何だか期待はずれの庭だったりして・・・と思いつつ中へ.



お屋敷自体はそんなに豪華でも瀟洒でも派手でもなく,どちらかというとあっさりした印象の親しみの持てる家です.



屋敷の裏は草地をはさんで高さ5メートルくらいのカベが続きますが,優しい黄色なので,圧迫感を感じません.



更に奥(画像でいうと左)に行くと色々な庭園で見かけた凹凸のある石をカベに埋め込んで海の様子を表しているような印象の小さな庭があります.



階段を上ると鉢植えのレモン畑?や娯楽室的な建物があり,振り返ると下界の景色が見えます.



屋敷の裏をカベに沿って進むと大きな松の枝越しにやはり下界の景色.



こちらは主庭の入り口付近.

ここから外の景色を見ると,フィレンツェの町並みが遠くに見えます.

何とも気持ちのいい場所です.



主庭の真ん中当たりから屋敷を見たところ.

庭はシンプルな整形式ですが,



池の畔にはこんな感じの優しい花が咲いています.



主庭の突き当たりには糸杉のアーチ.

このアーチをくぐったところにイス,テーブルセットが置いてあるのですが,



まぶしい日差しの中に見えるこんな景色を風に吹かれながら堪能し,癒しの空間に出会った喜びを心ゆくまで味わいましたkirakira2



ちなみにここの入園料は12ユーロ.

お庭だけだとちょっと高い気もしますが,まわりの景色も含めた庭園という空間を味わう料金だと考えると安いものだと思いました.