やまめの庭つくり

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花七穂の庭

2012-06-24 | 造園
久しぶりに横浜の高田駅近くにあるパン屋さん,花七穂に行ってきました.

2年前くらいにやまめが入手した鉢植えのアジサイ,このままではかわいそう・・・と思っていたのですが,ちょうどお庭の低木が枯れてしまって,空いた場所が生じていた花七穂のバタコさんが引き取ってもいいと言ってくれたので.

花七穂はやまめが専門学校を卒業した2008年の冬,師匠との初コラボで作らせていただいた思い出のお庭です.

最近ご無沙汰していましたが,3年半経ってもほぼ変わっていません.

小さな灯篭と立派な御影の板石,竹垣も時の過ぎるのを感じさせない要因でしょうか.



ひとつひとつの宿根草たちは大きくなっていい感じに落ち着いています.

シャクナゲが一枝枯れてしまったとのことでしたが,ウメもミツバツツジも柚子もイロハモミジも,全員元気になっていました.

葉も大きくなり,花もたくさん咲き,実も多くなっていたので,一安心.



一番奥,ホトトギスの大株の後ろにアジサイを植えました.



青花ですが,土のpHは調べていないので,来年この色かどうか・・・

でも,この場所で大きく育って欲しいなと思います.

前にこんもりしているホトトギス,株分けして色々なところに分散させてあげたいわ~

やっぱり,若干手を加えたい時期が来るのでしょうね.



ちなみに花七穂のバタコさん,先月くらいからブログを始めたとのこと.

その中で,やまめのことも書いてくれてましたsymbol3

ブログ:パン工房 花七穂

「今まで食べてきた中で一番」と言っていいと思うおいしいパンpanのお店です



初夏の収穫3

2012-06-21 | ガーデニング
毎日庭のブルーベリーを食べに来るヒヨドリ,この前つがいで飛んでいるところを見ました.

やっぱり繁殖期なんですね.

一回飛来すると,一粒だけ,細い嘴で器用に挟んで丸飲み.

そして近くの家の屋根くらいまで飛んで,しばらくするとまた枝に留まって一粒挟み込んでちょっと移動してから丸飲み.

そんな動作の繰り返しです.


考えてみたら6月も下旬,夏至です.

夕方の空は雲の隙間から,怖いくらい白くまばゆい光が輝いていました.


青い実ばかり目につくような気がしていたけれど,ブルーベリーは食べ頃になってくる季節です.

自分も収穫した方がいいんじゃないかと急に思い立って,朝6時半頃ミニ脚立に登って黒っぽくなった実をビニール袋に入れてみました.



おかしなもので,最初はほんの少しだけ・・・のつもりだったのに,採り出すと,目の前の実を無視することが出来なくて,結局熟したものをほぼ全部取ってしまいました.

また青い実もたくさん残っていますが,すぐに食べられそうなものはパッと見たところなく,

あとからヒヨドリが飛んできても,何もくわえずに

「ピーーーーッ」

と,一声叫んで飛び去る姿には,

(ごめん,つい全部採っちゃった・・・yellow7

と,思わず心の中でつぶやきました.



・・・そういえば,ブルーベリーを摘んでいるときにも数十㎝のところまで近寄ってきてこちらの作業を見られていたような気がします.

ヒヨドリにとって,やまめは縄張り荒らしの熊animal3みたいなものだったのかも知れませんね.





桑原邸

2012-06-20 | 庭園見学
日本庭園の観賞方法の一つとして,知識研究的なアプローチがある,と樹仙堂さんの資料にはあります.

庭園の成立した時代や成立の過程,その背景となる当時の文化,今日までその庭園が辿った歴史,庭園の様式や手法上の特徴などを予備知識として得てからのほうが理解しやすいと.

そして,ただ観賞するだけでも,知識だけでもなく,その庭に隠された作者の思いや造庭に託された「意味」を見極め,共感することがもっとも大切であると・・・・

ふむふむ・・・yellow4

しかしどこまで「想い」と「意味」を庭から感じる・・・ことが出来るのか,なかなか自分では答えを見つけることは難しいですが・・・


今回の桑名方面庭園見学会では,朝,米原駅から合流してバスの中で資料を渡され,非常に細かく調べてくれた知識をにわかで頭に入れて,現地の庭園を結構あわただしく観賞.

最初に訪れた桑原邸は,織田・豊臣の重臣として仕え,さかのぼれば平安時代からの家系図がある家柄で,代々農民を統率する,別格の勢力を持った郷士だったそうです.



建物は1733年に火災で焼失し,その後新築されたのが今の建物だそうです.
1800年頃と1886年以降の増築した分もありますが,今も桑原さんはここに住んでいらっしゃいます.

実際に生活の場として使われている築200年近い建物の中を見ることが出来たのは初めてのことです.


upこの長屋門は築450年だそうです.

奥様が家の由来について案内をしてくれたのですが,博物館のように,古美術品や家具調度が置かれています.

その中で,ライオンの置物なんて当時珍しかったのではと思い,いつ頃のものなんでしょうかと聞いてみたところ,

「入手したのはたぶん明治の頃なので,100年前くらいでしょうか,この家では新しいものですね.」

というお返事が帰ってきました.
100年=新しいといわざるを得ない歴史がここ桑原家にはあるんです.





だいぶ旧家としてのしきたりも時代のならいで少なくなってしまっているけれど,やはり,お盆やお正月には当主のみに課されたお役目が残っているとのことです.

普通の人と何も変わらない生活をしているとおっしゃっていましたが,日々,400年の歴史を感じる建物の中で暮らし,先祖が武芸を磨いた場所を見,苔むして時が止まったようなお庭を目にし,近隣地域のつながりも気の遠くなるような長い時を共有してきた,そんな歴史を紡いでいる場所なんだなぁ・・・.

当時の生活や価値観の一端に触れさせてもらえたような気がします.


しかも,武士の家・・・

らしいところが各所にあって,当時の生活が忍ばれました.



廊下に名前のわからない武器のようなものがかけてあるのですが,天井が低いので,背の高い人は要注意.

頭に刺さってしまいそうでしたaliensymbol5



痛そう・・・



弓の練習もしたんですね.



ちなみに,こちら,本玄関.

当主とお客様しか入れないところだそうです.



お白洲のような雰囲気・・・



ちょっとミーハーな情報としては,この場所で映画「蟲師」や,ドラマ「華岡青洲の妻」の撮影を行ったそうです.

田中好子さんがきれいでしたよ・・・と,当時のことを懐かしそうにお話ししてくださいました.



こんな感じで色々なものを見て,聞いて,その場に佇んで,雰囲気を感じて,それがちょっとずつ自分の中に静かにつもっていく・・・のだとすると.

いつか,庭作りや庭園観賞のときに,何かのアイデアや,インスピレーションが生まれるかも.

なんて.

まだまだ難しいことばかりです.





桑名庭園見学

2012-06-19 | 庭園見学
5月20日に,去年も参加させていただいた金沢の庭師,樹仙堂さん主催の庭園見学会に参加してきました.

今年は岐阜県大垣市の郷士,桑原邸と,蛤で有名な三重県桑名市の豪商・実業家の,東諸戸邸と西諸戸邸,昭源寺庭園を見学してきました.

去年と同じく,レジュメは大変しっかりとしたものを配られて,庭の説明はもちろん,いえ,それよりも多く家の沿革,建築の説明,歴史的な変遷など,事細かに書いてあります.

下調べとか,資料づくりがとても大変だと思うのですが,そのおかげで後日になっても改めて勉強することができます.

ありがたいことです.



まず,岐阜県大垣市上石津町の桑原家庭園は,江戸時代末期(寛永12年,1800年),主屋増築の際に土地造成のために作庭されたと推定されるそうです.

「築山庭造伝」後篇の「真之築山之全図」に基づくものと考えられている,築山池泉観賞式庭園です.

中央に池があって,左右に滝が組んであり,右は山からの水を落とし,左は三段落ちの枯れ滝になっています.

写真は座敷から庭を見下ろしたところですが,右から順番に見ている景色と思ってみてください.


右側の滝が奥に見えます.太いスギが建物近くに迫っているので,庭の雰囲気は奥深い山のようです.

中央の池は底の土が自然に透水してしまうため,現在は水が溜まっていない状態です.残念・・・
ここに水があれば,苔や大木の緑と水,石の三位一体,幽玄の世界に導かれるような気がするかも知れません.



up中島の右側には,かなり朽ちかけている木製の橋が見えます.



部屋から庭を観ているところは,湿気対策がとても大変なんだそうです.

そう,ここは現在も桑原さんが住んでいらっしゃる生活の場なのです.

むしろ,そういう生活の場に200年以上前の庭がある,その方がすごいことだと思います.






うれしいお便り

2012-06-17 | 造園
今日は買ったばかりのスマホに昨年秋に師匠とお庭つくりをさせていただいたお客様から電話をいただきました.

電話,しにくいですね~yellow22

コール音もないし,かかっているのか,いないのか,知らず知らず先方に失礼なことをしているかも知れませんdokuroase





そして,今日はそのお客様が春に撮影した写真なども師匠から手渡され,花いっぱいの春の庭を本当に楽しんでくださったことが伝わってきて,本当にうれしかったです.

庭に出るのが楽しくてしょうがなかったのよ,とお客様.



今頃,たくさん咲いているかなぁ・・・と気になってはいたものの,バイトに忙殺され,今春はついに行くことかなわず・・・

これから夏~秋,そして来春に向けてどうしていったらより素敵な楽しいお庭になるのか,一緒に相談したいというお誘いをいただき,更にうれしい気持ちになりました.

お客様と一緒にたくさん考えて,イメージを期待以上に実現できるような,そんなお仕事をしたいなぁと思っているのですが,これから少しずつそんな夢が叶うように頑張りたいと思いますkirakira2