MFHのロータス88Bが到着。
前回のエントリーで、このキットが今年最も買い物満足度が高い逸品になるかもとか書きましたが、実際にそうなりました。
動画で紹介されてるサスペンション可動構造の他に、この車の特徴でもある可動ツインシャーシ構造も再現されていて
しかもそうしたギミックが、実車と同様のパーツ機構を介して作動するという優れ物。目下製作休止中でアレですが
数年前の同社製品フェラーリ412T2でも、フルディテールでありながらTameoのF1キット並の組み立て精度を確保してましたが、
88Bが同様に高い精度を保っているとするならば、一見高価に思える30Kという価格も妥当を超えてバーゲン価格にさえ思えるかもしれません。
昨今、F-1のプラモデルが再興していて市場は賑やかですが、ちょっと前までの冬の時代には、ガレージキットと通称されるレジンキットやメタルキットが
新製品に枯渇するF1模型市場を支えていました。ただ、それらは、安価で高精度なプラモデルが車種バッティングしたら、簡単に駆逐されるレベルの物。
高価で似て無くて大雑把で作りにくいという物が大勢を占めていましたが、実際F-1プラモ再興によって、F1ガレージキット市場は、
プラモで車種バッティングしないように気を付けねばならず、明らかに勢いを失ってしまいました。しかしながら、その渦中にありながらも
複合素材の利点と小規模生産に因る小回りの良さを活かして、新製品開発に勤しんでいたのがモデルファクトリー・ヒロ。その製品内容は
同車種がプラモデルで出てきて車種バッティングしても存在意義を失うことのないMFHオリジナリティーを遂に確保したと言っても過言では無さそう。
インスト一つでも最早プラモメーカーを遙かに凌ぐ丁寧且つ詳細な手引き。行程が71まであるってのも物凄いでござる。
インストNo.21のディストリビューターのパーツなんて、プラモでもそこまで細分化しねぇよ(笑。
レジン、メタル、金属挽き物等々の素材も適材適所に用いていて、事にこの88Bの様な時代の車に欠かす事の出来ないメカニカル部位の金属感は
プラスチックインジェクションキットでは表現仕切れない部分であり、また細かいディテールの表現も、小規模生産の利点を活かして最盛期の
タミヤ1/12スケールやフジミエンスージアストシリーズ並の情報量を盛り込んでくれていて、恐らくは箱に入ってる部品だけで何もかも賄ってしまえる
素晴らしい商品内容になっています。また金色のパーツ群は真鍮ロスワックス製法で鋳造されたフロントサスアームのパーツ。このキットは
一部サスペンションがダンピング可動し、尚かつ因縁深い可動シャーシも可動するように設計されているのですが、そうしたギミック再現によって
通常よりも負荷が掛かるフロントサスに、ディテール再現と強度確保を両立させる為の選択だと思います。パーツ鋳造時の収縮まで計算しなきゃなんないし
所謂従来のロストワックス製法であるとすれば型の耐久性は望むべくもない為に、ホワイトメタルよりもコストが掛かってしまうと思うんですが、
それを惜しみなく採用してまで、この車の可動シャーシを再現したかった妙な情熱wを感じます。
エッチングパーツもやる気てんこ盛り。先に発売されたフェラーリF10なんかでは、殆どのパーツがメタルパーツで構成されていて、エッチングは申し訳程度だったんですが
このキットでは大判二枚組の大量のエッチングパーツが入ってます。しかも、モノコックファスナーとか筐体懸架支柱等の細かかったり細かったりでゲート処理が難儀しそうな物は
ゲートレス方式のエッチングを採用して、チマチマゲート処理をする苦労を大幅に軽減させてくれています。つか、エッチングの部品Noだけで軽く3桁なんすけど(・へ・;;)
ペキモさんが「ジオのがあるからな~、高いしな~」っつって躊躇されてましたが、これは買う価値あるんじゃね?私にとっては今年購入したありとあらゆるキットの中で
一番の買い物充実感を感じるキットであり、インスト見ながらパーツチェックしつつ脳内モデリングだけで年末年始は腹一杯になれますで。是非検討されたし(私信ですw)
個人的には、タミヤのキットが歴然と存在してるとはいえ、それを無視してロータス78をこのクォリティで出してくれないか?とか思ってしまう。私にとっては、ココのキットだけは
「同じ車がプラモで出たらどうしよう」とか、それが購入を躊躇する理由にならなくなったな。車種さえ気に入れば安心して積める(←積むだけなのかオイ!)。
実際キットの中身を見たテンションとしては、何もかも放り投げて直ぐにコレを作り始めたい所なんですが、目下机上に同じくヒロの412T2を広げちゃってる都合上、
コレを片付けなければ手を付けられないというか、作るなら腰据えてじっくり一本勝負したいです。
さて、ならとっとと412T2に掛かれば良いのに、何故か迂回してしまって弄くってるレベルのクライスラー300C。ベヨネッタのデカールも無事届いてしまったっつー事で、
先ずはコレをとっとと片付けてしまおうと思います。
前回紹介したとおり、このキットにはサイドウィンドウが全くありません。なので、取り敢えずバQするかとばかりに真鍮ポカポカ叩いたりして型起こしてみたんですが、
どうもわざわざバQらなくても、型に併せて塩ビかPET板を切り出せば行けそうな感じでもあります。一応窓固定用のリブを窓枠内側に0.3mmプラ棒使って設置したので
取り敢えずバQの前に一回板切り出して行けるかどうか探ってみようと思います。バQ面倒くさいし(笑
それと、このキット、無いのは窓だけではありませんでした。なんとドアノブが完全に無かったことにされてます(笑。どこまで潔いんだ。
中途半端にモールドされてるんじゃなく、全く無視されてる状態なので増設すれば良いだけっつー事で実は意外と気楽です。
ドアノブ新造のついでに開閉機構の煽りでチリがガッタガタなドアは嵌め殺して筋も一回埋めちゃって彫り直してます。微妙なプレスラインが入ってて
それを崩さないように面出ししたりスジボリ入れる方が、ドアノブ新造とか窓自作より遙かに面倒だった。つか実は未だに落としどころに辿り着かない。
フロントバンパーの開口部も全て完全に塞がっていましたんで、これも全て開口し最終的には裏からメッシュを貼って処理するつもり。
豪快すぎるバリやパーティングラインを削り落とし、構造上後付けした方が組み立てが楽になるボンネットとトランクは別処理しつつ一回目のサフ入れ。
スジボリがまだ荒れ気味なのと、面が出きってないところが結構残ってるから、こっからもう一皮剥かんとイカン様です。またもパール系で塗っちゃうので
この下地段階での面出しが最重要なので、ココだけは頑張っておこうと思っているのです。思ってるだけで途中で妥協点探る事になると思うけどね(殴。
でも必要なディテールで足りなかった物は、ココまでの作業で概ね補えている模様。プラ厚が厚いところだと5mm位あったりして、感覚的にはプラモと言うよりレジンキットって感じです。