枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

壮大な茅葺御堂の印象・・熊本、多良木、青蓮寺阿弥陀堂

2011-10-14 | 古い神社や寺で
          熊本県の南部、球磨郡多良木町にある亀田山青蓮寺(しょうれんじ)。
          鎌倉時代の初期(1193)、遠江国(今の静岡県西部)からこの地に最も早く下向
          した相良頼景(5年後に人吉に下向した相良家を下相良と呼ぶのに対し上相良
          家と呼ばれる)一統の菩提寺として1298年に創建されたと伝わります。
          今に見る阿弥陀堂は、1443年頃(室町時代中)再建、1775年(江戸時代中)の
          大改修の後に傷んでいたものを平成8年の修復により江戸中期の姿に戻した
          ものといいます。
          直線で構成される茅葺きの寄棟(四注造とも呼ばれる)屋根は、軒高4.5m、
          軒より棟まで7.6mと広大なもの。近づけば御堂は五間四面の大堂であることに
          気付かされます。
          柱は内外すべて丸柱、四方に廻縁を付し、素朴で壮重な鎌倉建築の色合いを
          表すと言われます。三間四方の内陣を取り巻く外陣(脇陣、後陣)で構成する
          単純な平面。外陣上には立派な虹梁(こうりょう)も見てとれます。
          内陣には、御堂の本尊、阿弥陀三尊像。清らか限りない表情、流麗な衣紋、
          観音、勢至の両脇侍菩薩の少し身をかがめて動きだすかのような・・その姿。
          1295年の作と言われますが、その見事な保存とともに滅多に会うことの無い
          ような感動的な御像です。(写真でお見せ出来ないのが残念です)
          現在は真言宗に属する寺ですが、創建当時の浄土信仰の深さを覗わせます。
          (阿弥陀堂、阿弥陀三尊像ともに国重文。)

          真っ青な空、緑の杉林をバックに、この見事な茅葺屋根の御堂、長い時を村の
          人々に守られてきたそのこととともに、感動的な出会いとなりました