雨上がりの澄み渡った青空と空気。
朝の悪天候を思うと夢のような好天の中、私の乗ったバスは、関東平野を走り抜けていきました。
東海道や山陽本線でしたら、帰省の旅に利用し、今も墓参で何度も往復してますから、地理的感覚は幾分はあるつもりです。
けれど、関東平野を奥に向かうと、私は地理に疎くて、さっぱり場所が分りません。
けれど、ガイドさんの説明に出てくる地名や言葉は、ほとんど耳にしたことがあるものばかりでした。
関東平野・関東ローム層・埼玉県・狭山茶、川越市・江戸情緒が感じられる街・小江戸、関東山地・秩父の山々・秩父鉄道・赤城山、上州穂高・谷川岳(遭難が多く墓標の山と言われている)等々。
そして富岡。
富岡と言えば世界遺産で有名になった富岡製紙工場がある所。
おそらくガイドさんの詳しい説明があったのでしょうけれど。
もしかすると、その近くを通過したのかもしれませんが・・・・・・。
何と、その前あたりからぐっすり寝込んでしまいました。
到着する直前 バスの車窓より撮影
目を覚ますと、最初の観光目的地、妙義山桜の里が目前で、ガイドさんのその説明も終わってしまっていました。
至極残念でしたが、そのあたりで仮眠が取れていませんと、後半の観光が結構きつかったかもしれません。
ですから、止むを得ないことと、残念な気持ちを自ら慰めました。
集合時間は朝の八時と早く、私は三時過ぎに起床したため、当然の仮眠だったのでしょう。
いつも、帰広の時でも、新幹線の発車時刻より一時間くらい早く駅に到着する私です。
この時は、その慎重さが幸いし、電車が徐行運転したにもかかわらず、ぎりぎりの到着で遅刻せずに済みました。
でもさすがに電車のラッシュと悪天候による緊張感の疲れからか、観光と言えども睡魔には勝てませんでした。。
妙義山の斜面を利用して、桜15000本と30000本の花木が丹精込めて育てられた桜の里を1時間かけて散策した私達。
お花見がテーマのこの度のツアー。
タイミングもよく、まさに満開!
これ以上の桜は望めないというほど、目に映るもの、すべてがさくらで埋め尽くされ、私は、心からその優美な桜花の爛漫を愛でることができました。
その園内をすべて巡るには、相当な時間がかかるようです。
登山姿で歩いている方を幾人も見かけました。
私達ツアーの九名は、坂を桜を眺めながら下っていくと、ある方が、添乗員さんに不安そうに声をかけられました。
「この坂では帰りが上りで、大変ではないかしら」と。
その一言で、足が止まってしまった私達。
さすがに私は、もう少し先まで未練がありましたが、私よりも高齢らしき方もいらっしゃいましたから。
弱い方の意向に沿うのが、観光のマナーなのかもしれません。
来た道を引き返すことに。
帰り道。前を行く二人の方も一人旅。
ホテルのフロントの方に友人同士と勘違いされるほど、親しくなりました
実に悠長で、のんびりした行動ですが、私にはさほど不満はありませんでした。
登山で鍛えた健脚の妹が一緒だったら、このツアーののんびりペースには、付いていけなかったことでしょう。
一人でも、先に向かったのでは。
その妹に、必死で付いていこうとする自分の姿が目に浮かびます。(笑)
昨年の同ツアーによる日帰り旅行の時は、まさにそんな感じのところがありました。
一緒に愉しめないのは、残念だけれど、もっと年とって体力が衰えたら利用したい、といった気持が理解できないわけでもありません。
実は、この園内から望める妙義山を、もっとじっくり眺めればよかった、と今になって少々後悔しています。
ブログを綴るにあたって、この桜の里を検索し分ったことですが、この里から望めた妙義山の切り立った奇岩、怪岩が作り出す山容は、日本三大奇勝の一つと言われているようです。。
下調べの準備不足と、眠ってしまって、ガイドさんの説明を聞き逃してしまった私は、山の姿にまで、ほとんど目が行きませんでした。
でもこの度の旅行の私の目的は、私の人生最大のお花見を愉しむことでしたから、十分満足しています。
これが人生見納めの桜になってもいいと思うほど、桜色にすっかり染まった心を弾ませて、バスにまた乗り込みました。
向かうは、軽井沢。
亡き夫との思い出が、まだ胸の内に鮮やかに刻まれている場所です。
もしかすると、この度の旅行で、私が一番楽しみにしていたところかもしれません。
明日はその軽井沢の思い出を綴ります。
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花のように泉のように