「伊東四朗生誕?!77周年記念」と銘打ったこの舞台。
脚本は三谷幸喜さん。
劇場は下北沢の本多劇場。
最初、あれ?っと思ってしまった。
舞台の上は病院の待合室だったからだ。
吉良上野介の話じゃないの?
バリバリのキャリアウーマンって感じの長女を演じる馬淵英俚可さんがヒステリックに話している。
どうやら彼女の父親が吉良さんで、何者かに頭と背中を切りつけられたらしい。
三人姉妹とその夫たち、後継ぎとなる吉良の甥っ子らが次々と駆け付けるがそれぞれにいろんな事情を抱えている。
幸いにも傷は浅く、入院するほどでもない、と医者の説明があり、吉良を演じる伊東四朗さんが登場。
全員が現代の装いなのに、なぜか伊東さんだけがちょんまげに白装束。
切りつけたのは浅野内匠頭らしい。
浅野が切腹ってことになると恨まれちゃう、なんてことを阿南健治さん演じる秘書と話したりしていて、忠臣蔵の予感。
長女は実業家らしいが、部下が怪しい動きをしていて、父親の怪我の心配どころではない様子。
次女を演じるのは瀬戸カトリーヌさん。夫の駿河太郎さんはうつ病で仕事もしていない。
三女は福田沙紀さん。お金持ちの夫、伊東孝明さんと結婚し幸せなはずが、実は夫の浮気に悩んでいる。
甥っ子の大竹浩一さんは才能もないのにミュージシャンを目指している。
空気を読めずに自作の変な歌を歌いだしたりして、叱られてばかり。
そんなところにやたらと気が利く、吉良の愛人、戸田恵子さんが登場。
銀座のお店で働いていたという彼女は、すべてによく気が付き、皆の悩み相談に乗り始めたりして、
最初は反発していた姉妹たちも次第に距離を縮めはじめ、実の母親の気の利かないことをなじり始めちゃったりする。
待合室で大騒ぎの吉良家の人々に困り果てる医者にラサール石井さん。
今回の舞台の演出もしているが、出番は少ない。
なぜ自分が切り付けられたのかわからないという父親に、
「ホントはお父さんが悪かったんじゃないの?」とか
「顔がこわいから」などとさんざんな言われようの伊東さんのこわ~い困惑顔がなんとも可笑しい。
そうこうしているうちに、浅野は切腹という知らせを秘書が持ってくる。
恨まれて仕返しされたらどうしよう、なんてコワイ顔でジタバタしている様がいじらしい。
「受付に面会の方が」という知らせに、一同どよめきたつが、甥っ子が本妻が来ていると告げる。
吉良が甥っ子に持ってこさせようとしていた帽子を、本妻がちゃんと気が付いて届けたのだ。
そこで、今まで物分かりの良かった愛人が「奥様にご挨拶を」なんて急に人間臭くなってごね始めたり。
身の回りに起こりうる人間関係をギュッと凝縮して、絞り出したような展開。
最初は家に帰らず、愛人宅に行くと言っていた吉良も、ここで「一度家に帰る」なんて言い出す。
終始、苦虫をかみつぶしたような顔をしていた吉良が、
三女の夫に「娘を泣かせないでくれ」なんて一人の父親になっちゃうのも、じ~んとくる。
皆が順々に姿を消していくと、舞台は突然江戸時代。
秘書もいつの間にか袴姿。
どうやら吉良の夢だったようだ。
「もしも、浅野の家臣が仇討に来たら?」と言う問いに
「吉良ですが、なにか?と言ってやる。」と。
最後の最後に松の絵の襖の奥に消えて行くとき、くるっと振り返って「ま、いっか!」と茶目っ気たっぷりの伊東さん。
まじめな人や空気を全然読まない人、自分のことばかりの人、したたかな人、とにかくみんなの掛け合いが軽妙で自然で、
江戸時代と現代が入り混じっている不自然な設定が吹っ飛んでしまう。
愛人の海千山千のうそくさい人格者ぶりが、戸田さんが演じるとチャーミングにさえ見えてくる。
カーテンコールで、伊東さんが前日のアンケートの内容を披露しながらご挨拶。
当初は討ち入りされる前日の吉良一家の話、ということだったのが、
井上ひさしさんがすでに同じ内容のものを発表していたってことに気が付いた三谷さんが、
急きょこんな風に変えてしまったとか。
一番可愛そうなのはラサールさん。
当初は大石内蔵助の役だったのが、出番の少ないお医者さんになってしまったらしい。
伊東さんは今年喜寿を迎えるとこと。
舞台上でのコミカルな動きはお年を感じさせない。
いつも、劇場入り口で束で渡されるチラシは今回、こんなエコバッグに入って配られた。
なんと気が利くというか、助かります。
帰りには出口で「タフマン」が配られる。
いたれりつくせり。
一緒に行った友人ともっとゆっくりしたかったのだけれど、
翌日に夫の親戚一同でのイベントである、餅つき大会が控えている。
今年幹事の我が家は準備をしなければならないので、せっかくの下北沢だけれど、
ちょっとだけお茶して帰ります。
楽しい楽しい夢の時間はここまで。
この後私は家に帰って、20kgのもち米を研ぐのでした
脚本は三谷幸喜さん。
劇場は下北沢の本多劇場。
最初、あれ?っと思ってしまった。
舞台の上は病院の待合室だったからだ。
吉良上野介の話じゃないの?
バリバリのキャリアウーマンって感じの長女を演じる馬淵英俚可さんがヒステリックに話している。
どうやら彼女の父親が吉良さんで、何者かに頭と背中を切りつけられたらしい。
三人姉妹とその夫たち、後継ぎとなる吉良の甥っ子らが次々と駆け付けるがそれぞれにいろんな事情を抱えている。
幸いにも傷は浅く、入院するほどでもない、と医者の説明があり、吉良を演じる伊東四朗さんが登場。
全員が現代の装いなのに、なぜか伊東さんだけがちょんまげに白装束。
切りつけたのは浅野内匠頭らしい。
浅野が切腹ってことになると恨まれちゃう、なんてことを阿南健治さん演じる秘書と話したりしていて、忠臣蔵の予感。
長女は実業家らしいが、部下が怪しい動きをしていて、父親の怪我の心配どころではない様子。
次女を演じるのは瀬戸カトリーヌさん。夫の駿河太郎さんはうつ病で仕事もしていない。
三女は福田沙紀さん。お金持ちの夫、伊東孝明さんと結婚し幸せなはずが、実は夫の浮気に悩んでいる。
甥っ子の大竹浩一さんは才能もないのにミュージシャンを目指している。
空気を読めずに自作の変な歌を歌いだしたりして、叱られてばかり。
そんなところにやたらと気が利く、吉良の愛人、戸田恵子さんが登場。
銀座のお店で働いていたという彼女は、すべてによく気が付き、皆の悩み相談に乗り始めたりして、
最初は反発していた姉妹たちも次第に距離を縮めはじめ、実の母親の気の利かないことをなじり始めちゃったりする。
待合室で大騒ぎの吉良家の人々に困り果てる医者にラサール石井さん。
今回の舞台の演出もしているが、出番は少ない。
なぜ自分が切り付けられたのかわからないという父親に、
「ホントはお父さんが悪かったんじゃないの?」とか
「顔がこわいから」などとさんざんな言われようの伊東さんのこわ~い困惑顔がなんとも可笑しい。
そうこうしているうちに、浅野は切腹という知らせを秘書が持ってくる。
恨まれて仕返しされたらどうしよう、なんてコワイ顔でジタバタしている様がいじらしい。
「受付に面会の方が」という知らせに、一同どよめきたつが、甥っ子が本妻が来ていると告げる。
吉良が甥っ子に持ってこさせようとしていた帽子を、本妻がちゃんと気が付いて届けたのだ。
そこで、今まで物分かりの良かった愛人が「奥様にご挨拶を」なんて急に人間臭くなってごね始めたり。
身の回りに起こりうる人間関係をギュッと凝縮して、絞り出したような展開。
最初は家に帰らず、愛人宅に行くと言っていた吉良も、ここで「一度家に帰る」なんて言い出す。
終始、苦虫をかみつぶしたような顔をしていた吉良が、
三女の夫に「娘を泣かせないでくれ」なんて一人の父親になっちゃうのも、じ~んとくる。
皆が順々に姿を消していくと、舞台は突然江戸時代。
秘書もいつの間にか袴姿。
どうやら吉良の夢だったようだ。
「もしも、浅野の家臣が仇討に来たら?」と言う問いに
「吉良ですが、なにか?と言ってやる。」と。
最後の最後に松の絵の襖の奥に消えて行くとき、くるっと振り返って「ま、いっか!」と茶目っ気たっぷりの伊東さん。
まじめな人や空気を全然読まない人、自分のことばかりの人、したたかな人、とにかくみんなの掛け合いが軽妙で自然で、
江戸時代と現代が入り混じっている不自然な設定が吹っ飛んでしまう。
愛人の海千山千のうそくさい人格者ぶりが、戸田さんが演じるとチャーミングにさえ見えてくる。
カーテンコールで、伊東さんが前日のアンケートの内容を披露しながらご挨拶。
当初は討ち入りされる前日の吉良一家の話、ということだったのが、
井上ひさしさんがすでに同じ内容のものを発表していたってことに気が付いた三谷さんが、
急きょこんな風に変えてしまったとか。
一番可愛そうなのはラサールさん。
当初は大石内蔵助の役だったのが、出番の少ないお医者さんになってしまったらしい。
伊東さんは今年喜寿を迎えるとこと。
舞台上でのコミカルな動きはお年を感じさせない。
いつも、劇場入り口で束で渡されるチラシは今回、こんなエコバッグに入って配られた。
なんと気が利くというか、助かります。
帰りには出口で「タフマン」が配られる。
いたれりつくせり。
一緒に行った友人ともっとゆっくりしたかったのだけれど、
翌日に夫の親戚一同でのイベントである、餅つき大会が控えている。
今年幹事の我が家は準備をしなければならないので、せっかくの下北沢だけれど、
ちょっとだけお茶して帰ります。
楽しい楽しい夢の時間はここまで。
この後私は家に帰って、20kgのもち米を研ぐのでした
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