5月下旬から6月上旬にかけて、私としては演奏会ラッシュになってしまった。演
奏会ラッシュとなるとブログにまとめるのも、その分多くの時間を要するので体
力的に大変だ。連日のように演奏会に行く、プロの音楽評論家は本当に大変な
職業だ。
5月29日(火) オペラ「ローエングリン」舞台稽古見学会(新国立劇場)
Hさんからオペラ「ローエングリン」の舞台稽古見学会チケットを頂戴し、久しぶ
りに新国立劇場へと足を運んだ。
「ローエングリン」は「建・TAKERU」(1997年10月)、「アイーダ」(1998年1月)
とともに新国立劇場の記念公演の一つである(1997年11月)。新国立劇場の
初代芸術監督[オペラ]はいうまでもなく畑中良輔先生だった。
また、「ローエングリン」は「さまよえるオランダ人」(1843)、「タンホイザー」
(1845)に次いで作曲されたR.ワーグナーのオペラである。初演は1850年と
いうから私の生まれる100年前、その指揮はF.リストだった。
私としては、ワーグナーのオペラ(生)は、「ニュルンベルクのマイスタージン
ガー」、「ワルキューレ」に次いで、3回目となる。
指揮;P.シュナイダー
演出;M.v.シュテークマン
合唱指揮;三澤洋史
合唱;新国立合唱団
管弦楽;東京フィルハーモニー交響楽団
ハインリヒ国王;G.グロイスベック
ローエングリン;K.F.フォークト
エルザ;R.メルベート
フリードリヒ;G.グロホフスキー
オルトルート;S.レースマーク
王の伝令;萩原 潤
他
舞台稽古とはいえ、ありがたいことに途中で止めることもなく、まったく本番どお
りの進行だった。
まずはローエングリン(白鳥の騎士)のK.F.フォークトを讃えなければならない。
ワーグナーのテノールといえばヘルデン・テノールを想像してしまうが、「タミーノ」
をやや重くしたような、上へ抜け、どこまでも強くクレッッシェンドする頭声、しかも
美声がすばらしかった。フォークトは今年のバイロイトでもローエングリンを歌う
ことになっている。身長は180cmはあるだろう。美男子でもあった。
その他のメイン・キャストではオルトルートのレースマークがスウェーデン人だが、
あとの3人はドイツ人であり、フォークトを含め、本格的なというとおかしいかしら
ん、ドイツ語の母音やウムラウトなど本物を味わうことができた。
私(わたくし)的には、新国立劇場合唱団--男女合わせると100人以上いた
だろうか、大合唱団の活躍に「感心」した。三澤さんに大きな拍手を送りたい。
王の伝令役、萩原潤さんも、期待にたがわず堂々としたバリトンだった。
「ローエングリン」は、白鳥に導かれて登場するロマンチックなオペラかと思った
ら、木下順二「夕鶴」の男女を逆転したような、かわいそうな物語--最後にロ
ーエングリンが「イッヒ ビン ローエングリン」というところでは涙があふれてき
た。(「ワルキューレ」の最後の場面でも同様な経験をしたが・・・・・・。)
演出は、最後がちょっと分かりにくかったカナ。私の物わかりが悪いだけかしら
ん。
P.シュナイダーもさすが、東フィルを見事にコントロールしていた。シュナイダー
も今年のバイロイトで「トリスタンとイゾルデ」を、そして今秋、日本のウィーン国
立歌劇場公演では「フィガロの結婚」を振ることになっている。
今後、新国立劇場にかかるワーグナーのオペラをすべて観るのもおもしろいカ
ナ・・・・・・、と考えた。
なお、オーケストラ(の団員)はまったくの普段着だった。
参考記事→「ローエングリン」;フォークトの写真
座席券への交換風景
14時開演 終演は19時の長丁場
40分間の休憩が2回入った
6月1日(金) 東京音楽大学校友会神奈川県支部第16回新人演奏会
OB合唱団のピアノ伴奏をしてくださっている永澤友衣さんが出演された新人演
奏会を聴いた。舞台は「木のホール」といわれる神奈川県立音楽堂である。
永澤さんは7時過ぎの7番目に登場。R.シューマンの「3つの幻想的小品」を弾い
た。曲目はいかにもR.シューマン。後半 f から p になるところでハッとした。
そのほかにもフレッシュな、初々しい演奏が続いた。
プログラム後半にはスペシャルゲストとして東響のコンサートミストレス大谷康子
さんが登場。大谷さんは東京音楽大学の教授でもある。
演奏曲目は、1.クライスラー 「愛の喜び」、2.エルガー 「愛の挨拶」、3.ブラー
ムス 「ハンガリア舞曲」、4.アラール 椿姫ファンタジーより「乾杯の歌」、5.サラ
サーテ 「ツィゴイネルワイゼン」(ピアノ;広瀬宣行)
いずれも緩急の激しい、大胆なといっていい、すばらしい演奏だった。「合わせの
妙」というのかしらん、広瀬さんのピアノがピッタリと付けていた。曲目の合間に
は大谷さんのお話がよかった。--「皆さんこんばんは。お招きいただき、有難う
ございます。今日の皆さんの演奏は入学試験の時の100倍ぐらいよかったです。
何かを伝えようというものがありました。よくある、『間違えちゃいけない』、『うまく
やらなくちゃいけない』という『いけないづくし』では音楽は伝わらないんですね~」
「アンサンブルはお互いの気配を感じることが大切なんですね~。けしてサーカ
スとかコンピュータの世界とは違います。私は音楽をやっていて本当によかった
な~と思います」
最後は大きな拍手の中、大谷さんと広瀬さんの花束が贈呈された。拍手の続く
中、アンコールに応えて広瀬さんがゆっくり登場、一人ピアノを弾き始めたと思っ
たら、2階の客席扉から大谷さんがヴァイオリンを弾きながら登場、客席を練り
歩くパフォーマンスで聴かせてくれた。すばらしかった。広瀬さんの見事なピア
ノ伴奏も忘れられない。
即物的な表現になるが、これで入場料1,500円とは破格のお値段だった。
6月6日(水) 慶應ワグネル・オーケストラ第206回定期演奏会
慶應ワグネルを今年28歳になる川瀬賢太郎さんが振るというので楽しみに出か
けた(すみだトリフォニーホール)。そして大変に満足した。
川瀬さんは、2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を
卒業。2006年東京国際音楽コンクール<指揮>において1位なしの2位入賞で
注目される。2011年4月名古屋フィル指揮者に就任している。
会社から錦糸町へ。スープストックセットを食べ、ドトールで仕事モードから気分
転換。
<プログラム>
1.ドヴォルザーク 序曲『謝肉祭』
2.シューベルト 交響曲第7番『未完成』
3.チャイコフスキー 交響曲第5番
1.ドヴォルザーク 序曲『謝肉祭』
出だしがすばらしく、一気にひきつけられた。タンバリンが大活躍!いい録音だっ
たらCDを購入したいとさえ思った。
2.シューベルト 交響曲第7番『未完成』
やや小編成の『未完成』。指揮台で瞑目後の開始。これも出だしをかなり練習し
たのだろう。例の弦が奏するメロディー部分がニュアンスに富み、いい演奏だっ
た。
--休憩--
休憩中にロビーをウロウロしていたら、福岡正夫先生と塩澤修平先生のお姿を
拝見した。福岡先生は昨年米寿を迎えられ、『経済学 わが道』というエッセー
集を出版された。全然お元気である。
3.チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイ5もいろいろな名演を聴いているが、それに勝るとも劣らず、すばらしい、
堂々とした演奏だった。第1楽章と第2楽章をアタッカで続け、第3楽章と第4楽
章も続けていた。初めて聴く人には楽章の切れ目が分からなかったかもしれな
い(笑)。
第4楽章では、想像以上に速い場面あり、切り替えにハッとさせられる部分あり、
20cmほどぴょんぴょんと指揮台で飛び跳ねるシーンもあり、最後は運命に打ち
勝っての堂々たる進軍、その盛り上げ方がすばらしく、会場からいっせいにブラ
ボーが沸き起こった。私も大声でブラボーを叫んだことは言うまでもない。
川瀬さんは演奏後の花束贈呈にも「どや顔」や笑顔ををみせることなく、大きな
花束をホルンに手渡した。
当日のプログラム
6/6 17:25 杏雲堂病院前 マスコミと警察官、野次馬
この日、寛仁親王殿下ご逝去
スープストックセット
ドトールで一服
この日の東京スカイツリー
座席より開演前のステージ
休憩中のロビー
6月7日(木) 文京シビックにおいて「尾崎喜八の詩から」の練習。当日は、須田
さんの代振りの予定だったが、直前に都合がついて仲光さんが練習に駆け付け
た。新曲のキャンペーン中でお忙しいのではないかしらん。
私は練習開始を30分間違え、遅刻してしまった。
今回は7/1に現役の演奏会と重なり、OBとしてフラッグを新規作成
この日、披露された フラッグの右側に指揮の仲光さん
6月9日(土) 雨。たまプラーザにjammin' Zeb(ジャミン・ゼブ)がやってきた。
「“SEASONS”発売記念 サイン・握手会」(主催;銀座山野楽器)である。晴れ
ていればゲートプラザ1Fフェスティバルコートでミニコンサートが開かれる予定
だった。
2F山野楽器に行ってみたが、どこにも案内が出ていない。大きな看板でも出す
べきなのにと思いつつ、店員に訊いたら3F料理教室の近くで行われるという。
行ってみたら、どこから現れたのか、CDを持った女性たちがたくさん集まって
いた。男性は数えるほど。4時前にスタッフが「は~い。こちらに並んでください」
と言っても、皆さん様子を見るばかりでなかなか並ばない。私は迷わず先頭に
並んだ。ジャミンゼブ4人と握手し、ブックレットにサインをいただいた。
“SEASONS”(税込2,100円)
1.Seasons
2.You Can't Hurry Love
3.Besame Mucho
4.Wrap Your Troubles In Dreams
5.Serenade~シューベルトのセレナーデ~
6.I'm A Believer
7.世界に一つだけの花
帰宅後、さっそく聴いてみた。ヴァライティーに富む曲を歌っており、思ったより、
といっては失礼だが、大変よかった。私はとくにBesame Muchoとシューベルト
のセレナーデにひきつけられた。
Besame Muchoはかすかな色気を感じさせる歌唱で、女性のファンが多いの
もうなづける。対訳を読んだら「キスして、沢山キスして」とあった。シューベルト
は難しいだろうにやさしく感じてしまう。私がやったら曲にならないだろう。
他の曲もインテンポにおけるリズム感よろしく、プロになったのもうなずけよう。デ
ビュー5年、まだまだシェアを伸ばすのではないかしらん。「おすすめ!」である。
なお6月16日(土)午後にも成城で同様の企画が予定されている。
雨 晴れていれば、こちらでライヴの予定だった
サイン会開始30分前 即売所とサイン会場
皆さん熱心で、既に購入済みの方がほとんどのようだ
「は~い、並んでくださ~い」(スタッフ)
大変なにぎわい振り
頂戴したサイン
終了後は家族で食事 トゥ ザ ハーブス
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先日のたまプラーザで撮られたお写真を拝見しました。こちらのお写真、コピーさせていただいてもよろしいでしょうか。
お恥ずかしいのですが... "サイン会に並んでいる様子" はなかなか撮ることが出来ないので、コピーさせていただけたら嬉しく思います。
申し訳ありません。こんなコメントをお送りしてしまって... たいへん迷ったのですが、一言おことわりさせていただきたく、コメントいたしました。
写真は撮影してもいいということだったので、サナップ的に撮らせていただきました。
ご趣旨了解しました。またよろしければお立ち寄りください。
PSこのところ、先日買ったCDのBesame Muchoばかり聴いております。
拡大するとよくわからなくなりましたが、それでもその場に写っている... そんなことも嬉しいんです(笑)貴重なショットです。どうもありがとうございました。
ワグネルOBの方でいらっしゃるんですね。来月の本番のご成功、お祈りしております!!
P.S. Besame Mucho は、クセになりますよね(笑)
よろしければお立ち寄りください。毎週月曜の更新です。