新日本フィルでは10年ほど前、すみだトリフォニー小ホールで年8回室内楽
の演奏会を始めた。現在は、室内楽シリーズⅩを「音楽家たちの饗宴」とし
て行っている。
1月22日(水)、その新日本フィル室内楽シリーズに初めて足を運んだ。室内
楽の演奏会を聴いたのは初めてでもあった。
<プログラム>
1.モーツァルト オーボエ五重奏曲 ハ短調 K.406a
オーボエ:古部賢一 第1ヴァイオリン:田村安紗美 第2ヴァイオリン:竹村勇人
ヴィオラ:木村恵子 チェロ:上森祥平
2.シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調『死と乙女』 D810
第ヴァイオリン:吉村知子 第2ヴァイオリン:小池めぐみ ヴィオラ:原 孝明
チェロ:貝原正三
開演15分前、19:00から新日本フィルのコントラバス奏者村松裕子さんによ
るフランクなプレトークが始まる。
・みなさん、こんばんは~。今週の定期演奏会はハウシルトさん。練習が始まっ
ていますが、ハウシルトさんは、本当にきさくなドイツのおじさんです。音程に
厳しくて、パートごとにチェックしています。ブルックナーのオルガンのような響
きをぜひお楽しみくださいね~。
・モーツァルトのオーボエ五重奏曲は、ややこしくて、原曲が木管八重奏曲でそ
れが弦楽五重奏曲第4番(K406)に編曲され、さらにオーボエ五重奏曲となっ
たものです。
・オーボエはすごく繊細な楽器です。血液型がA型の古部さんにピッタリかもし
れませんね~。
・シューベルトの『死と乙女』は、同名の歌曲が第2楽章に引用されていることか
ら付けられたタイトルです。死神が乙女に「安息を与えるために来たのだよ」
と語りかけるものです。ドイツでは、死は恐怖ではなく、「安息」なんですね~。
・この曲は、みなさんプログラムに書いておられますが、譜めくりが大変なんで
す。とくに第4楽章のPrestoは大変なことになっています。
・私は来月から産休に入ります。今度お会いする時はお腹もへこんでスッキリし
ていると思います。
1.モーツァルト オーボエ五重奏曲 ハ短調 K.406a
5列目で聴いたが、音が大きいのでビックリ。指揮者はむろんいないが、今
さらながらとくに出だしや休符の後の呼吸を合わせるのに感心。大変珍しい
曲を聴くことができた。
この曲を、とくに生で聴いたことがある人はごく少数だろう。第2ヴァイオリン
の竹中さんもこの曲の存在も知らなかったと、プログラムに書いておられた。
モーツァルトの数少ない短調の曲である。
2.シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調『死と乙女』 D810
各パート1人しかいない譜めくりは大変なようだ。譜めくりは左右どちらの手
でやるのだろう?、と演奏中に気になりだした。ジ~と見ていたら、弓を持ち
ながら右手でやっていた(笑)。
曲は、こちらも短調で、冬の、凛とした厳しさが伝わってきた。40分の大曲だ
った。
演奏後のインタビュー(原 孝明--村松裕子)
(村松)冬にピッタリの演奏でしたね~。(誰しも、私と同じ感想?)
(原)疲れました~。
その後、村松さんからの「突っ込み」で、ヴィオラについて、アンサンブルの中で
いろんな役割があるんですね~。大きな楽器で大きな動きですね~(それをい
うならコントラバスも[笑])という話で盛り上がった。
村松さんの明るい積極的な見事なインタビューにも拍手であった。
夕食は錦糸町のつばめグリルで
ブイヤベースのおじやを食べる。
夜の錦糸町駅
小ホールは大ホールの隣の階段を下りていく。
小ホール入口
すみだトリフォニー小ホール
小ホールのロビー
演奏終了後、ワンコイン飲み放題で、出演者との懇親会がロビーで開かれ
たが、翌日があるのでまっすぐ帰ってきた。いつか参加してみよう。
『陛下の御質問』(文春文庫)
先週のブログでとりあげるべきだったが、毎日新聞特別顧問の岩見隆夫氏が
亡くなった。氏がまとめた『陛下の御質問』(徳間文庫→文春文庫)はいい本で、
力作だった。
徳間文庫版『陛下の御質問』
* * * *
週間フォト日誌
1月20日(月)
朝のベローチェ(新御茶ノ水店)。この小一時間は貴重な時間である。演奏会
前は暗譜の時間となるが、普段は読書をしつつ、メモをとったり、「ものを考え
る」それとなる。
百田尚樹『永遠の0』を読んでいるが・・・・・・
p229零戦パイロットの「小山」が戦後、アメリカのセントルイスで開かれた第
二次世界大戦航空ショーで元米海兵隊「トニー」と「再会」する場面には涙を
禁じえず。なりふり構わずハンカチを濡らしてしまう。
『永遠の0』は、(私なりの読み方だが)太平洋戦争を舞台にしたヒューマンドラ
マである。「人の真実」を(小説として)描いたものと言い換えてもいいかもしれ
ない。
この本は、けっして「特攻賛美」でも「戦争賛美」でもない。むしろ、戦争を起こし
てはならないという、広い意味で「反戦物語」といってもいいだろう。
本書から「少し」離れるが、戦前の軍隊には非人間的で卑劣な人間もいたし、
人間的で立派な人もいたのである。今日の社会にも、いい人もいれば悪い人
もいるのと同様に。
小説と映画を比べると、映画の方がシンプル化し、登場人物を減らしていること
が分かる。
この本、もともとは仙台のYさんに「知ってる?たくさんの人が読んでるよ」と教
えてもらったものである。そういえば中島京子『小さいおうち』(文春文庫)もそう
だっけ(笑)。映画「小さいおうち」は25日(土)からロードショーとなっている。
7:15
百田尚樹『永遠の0』(講談社文庫)
文庫本解説は児玉清さん。
7:55 神田駿河台より小川町交差点方向
7:56 神田駿河台3丁目
8:05 気分を切り替え、朝一番でパソコンに向かう。
1月21日(火)
C.アバドが亡くなった。80歳だった。アバドは、昨年9月のルツェルン音楽祭
でベートーヴェンの「英雄」などを演奏している。このブログでも取り上げたが、
10月には、ルツェルン祝祭管弦楽団と来日することになっていた。
しかし、それも中止となっていたとは!、知らなかった~。スイスでのトッレキ
ングも兼ねて、ルツェルン音楽祭にアバドを聴きに行こうかと考えていたのに
残念だ。
6:15発東武動物公園行普通電車 まだ暗い。
7:30 たまごサンド
引き続き『永遠の0』・・・・・・
著者百田尚樹さんは、かなり時間をかけて太平洋戦争のことを研究したよう
だ。『永遠の0』は、むろん小説だが、坂井三郎など実在の人物も数多く登場
する。
<『永遠の0』の研究>という本が書かれるとおもしろいかもしれない。
「風雪二十年」
『永遠の0』にも出てくる、ミッドウェー海戦の敗北(--ラフにいえば、米軍が
日本軍の暗号解読を進めていたことと「魚雷→爆弾→魚雷」の再換装に時間
がとられたことで後手に回ったことによる。)などを私が知ったのは、昭和35年
ごろに日本テレビ系で土曜の夜10時から放送されていた「風雪二十年」とい
う番組による。
それは毎日新聞社の古谷綱正氏が解説を担当していた。両親が熱心だった
が、その横で私も視ていたのである。ガダルカナル、ツラギ、ラバウル、ポート
モレスビー等の地名を知ったのもこの番組である。当時、私は10歳だった。
8:00 太田姫稲荷神社(神田駿河台1丁目2)
昔は大きな敷地があったのかもしれない。
1月22日(水)
『永遠の0』p392予備学生に「不可」を付ける「宮部久蔵」に朝から涙する。
p423「武田」が「あなたの新聞社は戦後変節して人気を勝ち取った」と新聞
批判する場面は、著者の筆に力が入っているようだ。--ポーツマス条約の
日比谷焼打ち事件から満州事変、五・一五事件と、「軍部をこのような化け
物にしたのは、新聞社であり、それに煽られた国民だったのだ」と「武田」に
語らせている。
この先は余談だが・・・・・・
60年安保騒動でも、新聞に「煽られた」全学連が暴徒化、国会に突入し、死
傷者が出た。
新聞社は、一転、「暴力を排し、議会政治を守れ」という7社共同声明を出し
ている。
最近、書店で縦積みされている『永遠の0』を見たら、「300万部突破!」と
いう帯が付いていた。印税は少なく見積もっても2億円(!)を超えるカナ?
1月23日(木)
スープストックお茶の水店にて夕食
その後、丸善お茶の水店にて本を物色。神立尚紀『祖父たちの零戦』(講談
社文庫)を購入。
東京芸術劇場
同上
19:10 発声練習 練習が始まった、この時間は、全体で30人ほど。Topは
4人だった。
須田さんの指揮で多田武彦『わがふるき日のうた』(1~3)をおさらい。
下田さんから「木下保先生生誕110年記念コンサート」ライブCD(1000円。
送料別)のご案内があった(先着30名)。
副都心線池袋駅のエスカレーターが修理中のため、普段は使用しない階段
を下りた。
1月24日(金)
神立尚紀『祖父たちの零戦』(講談社文庫)
百田尚樹『永遠の0』からこの本へやってきた。昭和38年生まれの著者が、
主として、生き残った「零戦乗り」への2000時間にも及んだインタビューを
ベースにしたノンフィクションである。新聞記者が書いたかのような分かりや
すい文章がすばらしい。
1月25日(土)
花粉症がやってきたので、近所の耳鼻咽喉科へ。去年もまったく同じころか
ら診てもらった。去年は大変混んでいたが、この日は、意外や、空いており、
4番目だった。エバスチンを4週間分出してもらう。
あざみ野耳鼻咽喉科
午後からは、新日本フィル第519回定期演奏会へ。この模様はまた来週。
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