音楽(管弦楽や合唱など)の演奏は、二つに分かれる。
一つは「楽譜どおり」から出発し、デュナーミクなどを徹底し、アンサ
ンブルを超絶的に磨き上げていくもの。そのタイプの代表というか超一
流の地位を占めるのがトスカニーニやカラヤンだ。
コンクールではどちらかというとこのタイプが求められる??(仮説)
関学グリーの上手さ(とくにアンサンブル)は超絶的で、当時のワグネ
ルにはマネができないほどだったが、(時として)上手いだけでオモシ
ロクナイことがあった。
--カラヤンの音楽がまったくオモシロクナイと感じる人(アンチ・カ
ラヤン)があるように(福永陽一郎先生は、大のトスカニーニ嫌い、カ
ラヤン嫌いで有名だった)。
いま一つは、楽譜を徹底的に読み込み、そこから「音楽の核心」を突く
演奏だ。無論「楽譜どおり」となるわけではない。楽譜はあくまで「材
料」の一つだ。
こちらは、「意外性」があると言うか、聴いていて「ハッとする音楽」
だ。オモシロイ。
ワグネル(男声)の「伝統」(?)もこの系統の音楽かな??(仮説)
私の経験で言えば、清水脩作曲の「鎮魂歌」だったか「月光とピエロ」
だったか、畑中良輔先生が楽譜の指示をガラッと変えてしまった。
その時、畑中先生が練習で言われた言葉は一生忘れられない。--
「あの人(清水脩)は<音楽>が解ってないのッ」(爆笑)。
木下保先生の口癖は、「楽譜に<音楽>は書かれていませんッ」だった。
話がそれかかってしまったが、録音で聴く、フルトヴェングラー(1886
-1954)やクレンペラー(1885-1973)、クナッパーツブッシュ
(1888-1965)などの演奏は、三者三様ながら後者に属する。
さて、クナッパーツブッシュである。クナッパーツブッシュ/ウィーン・
フィルの「小品集」は、LP時代、何回聴いたことだろう。40年ほど前
のことだ。
H.クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル
1.ラデツキー行進曲
2.ワルツ「バーデン娘」
3.アンネン・ポルカ
4.加速度円舞曲
5.トリッチ・トラッチ・ポルカ
6.ワルツ「ウィーンの市民」
7.ワルツ「ウィーンの森の物語」
8.軍隊行進曲
9.舞踏への勧誘
10.歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」
録音
1~7;1957年10月
8~10;1960年2月
1~7はリハーサルなしの「一発勝負」で録音されたという。
いよいよリハーサルという時に、クナは
「諸君はこれらの曲をよく知っている。私も知っている。じゃあ、本番
で」
と言って帰ってしまい、ウィーン・フィルが拍手喝采したという有名な
話がある。
いずれも肩の凝らないポピュラーな曲だが、その演奏に独特の味--
キレイゴトで済まない「芸術性」が感じられるから不思議だ。
1はまったくウィーン・フィルのレパートリーで、いつでも練習なしでで
きるだろうが、2がテンポといいデュナーミクといい、ニュアンスに富み、
まことにすばらしい。--大男が一生懸命ウィンナワルツを踊っている。
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