人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

慶應ワグネル 男声合唱団第133回定期演奏会(2)

2008-12-10 05:39:11 | 音楽
(余談?)
休憩中もできるかぎりプログラムを読んだ。盛り沢山である。「俺たちワグネリア
ンのここを聴いてくれ!」(なかなかよくできている。)は毎年楽しみだ。ワグネ
ル(セカンド)には、娘の親友の弟さん(Sくん)がいるが、彼ももう卒業だ。新
人だったステージがついこの前のことと感じられる。音楽好きな、Sくんのご両親
も聴かれたかしらん。
現役の定演は2年前の入院時を除いて、20年近く続けて聴いているが、今年も例年
に勝るとも劣らない、若さあふれる(*)、いい演奏を聴くことができた。
(*)私が23歳の時は「若さ」を売り物にしてはいけないと思っていたものだが、
   私がちょっと老けたのかしらん。若さそれ自体が財産である。


3.佐藤、前田先生ともに黒の上下で登場。1曲目「雲に向かって起つ」の出だし
 「燃える瞳に~」から、指揮に求心力のあるパッショネートな演奏を聴かせる。
 先生も大きな指揮!2曲目の「ぽつねん」もおもしろい!バリトン・ソロも本格
 派。3曲目「見えない子供」ではア・カペラの中、緊張感あふれる演奏だった。そ
 して、4曲目「死んだ男の残したものは」に大きな山があった。ああ、佐藤先生
 はこれをやりたかったんだ!自然に涙があふれてきて、会場の皆さんと想いを共
 有した。「死んだ兵士の残したものは」でパトスがはじける。「死んだ歴史
 の・・・・・・」はエピローグのごとく。5曲目「うたうだけ」はジャズっぽかった。
 いい選曲だった。


4.久しぶりの「ポーギーとベス」。現役は引き続きおなじみのブレザー姿。入場
 の拍手がおさまらない中、先生が振り向きざま「ウォウウォー」と全合唱が始ま
 った。約45人とは思えないほどよく声が出ている。
 やがて小濱さんが「赤ちゃん」(人形)をかかえ、カラフルな衣装で下手より入
 場。クララの「サマータイム」である。クララが上手に退場するとシンコペーシ
 ョンの合唱が続く。なかなか好調。

 小濱さんが上手より再入場。今度は黒の衣装でセリーナを歌う。誰が手伝ってい
 るのか?小濱さんの早変わりだ。やや小柄な身体をフルに使って、大きく歌い上
 げる。合唱は Oh,I Got Plenty O'Nuttin'で隣同士顔を見合す動きを見せる。次
 いで、下手からの平野さん(ポーギー)と上手からの小濱さん(ベス)による
 「愛の二重唱」。小濱さんはピンクのドレスで二回目の早変わり。合唱のSoon
 For New Yorkが続く。色彩感ある音色の変化。音色の変化--合唱はこうでなく
 ては。

 最後は平野さんも加わり、Oh Load, I'm On My Wayを「高らかに」歌い上げ、フ
 ィーネとなった。終わったとほとんど同時に大拍手となった。私も興奮、気が付
 くとブラボーを2回叫んでいた。


(アンコール)
1.畑中先生がステージに残り、ちょっと待ってねのジャスチャーに、平野さんも
 登場。ピアノの上のペーパーを取り、ちょっと待ってね。おもむろに眼鏡をか
 け、
水郷柳河
 であろうか、冒頭の一節「私のふるさと柳河は・・・・・・」を朗読された。(「富士
 山」の朗読された時を思い出した。)続いて演奏されたア・カペラの「柳河」は
 まこと芸術的でなんともいえぬ味わいがあった。ソロもやや太めのいい声!「旅
 の人~旅の人」はまさしくブル先生調だ。私はこの「柳河」を一生忘れないだろう。
2.佐藤先生、前田さん伴奏による武満の「小さな空」。「夕空過ぎて・・・・・・」、
 そして「いたずらが過ぎて」にグッと来た。今年のアンコールはおいしい。
3.学指揮。「七色の~」。ここまで来ると失礼ながら一般的には乱れかねないの
 だが、本当よく歌っていた。

7:39に緞帳が下りた。「督促の拍手」により①「若き血」、②「我ぞ覇者」、③
「丘の上」--2番では卒業生11人が肩を組んで歌う。会場が感激に包まれる中、
7時48分お開きとなった。



PS 次のブログにも毎年「ワグネル定演」を取り上げていただいています。ご紹
   介しますので、ぜひご覧ください。(コメントしてあげてネ~。)
僕のことならほっといて

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4 コメント

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初登場 (katsura1125)
2008-12-11 22:39:36
kameさん、初めまして!
長文コメント有難うございます。
わが社に「目利き」がいて、「人生ブンダバ
ー」にコメントを入れられる方はみんな文章が
上手いね~と言っておられます。
先生方にしてもkame様にしても、その「想い」
を若い現役が(時にはフラフラになりながら
も)しっかり受け止めている姿にブンダバーです。
またぜひ気軽にお立ち寄りください。
返信する
至福の時間 (kame)
2008-12-11 18:08:46
今年もワグネルの定演が終わった。
ここしばらく毎年現役と向き合い、
期待感・失望感・一体感、
いろいろなものを共有しながら
この時を迎えている。
そしてこの日、一年のすべてが凝縮され、
現役の音楽に対する真摯な気持ちが
瞬間ごとに伝わってきた。

現役の「ローセキ」もよかった。
一年生を加えて再演した甲斐があったと思う。
六連から半年を経て、
熟成された気持ちの表現が、
まっすぐに入ってきてとても好感を持った。

「武満」では、
ここ数年の佐藤先生とワグネルの
様々な葛藤の中からうまれてきたのか、
明らかにワグネルの音でありながら、
木下先生・畑中先生とは違う、
新しい音楽の流れを確かに感じた。
「死んだ男の…」ワグネルがあのような音を
奏でたことが過去あったろうか…
数日経った今も心に沁み入る演奏であった。

今年の定演は畑中先生に指揮していただいて、
なんと49回目ということである。
49回と口で言うのはたやすいが、
ワグネル107の歴史の半分は、
先生とともにあるということである。

昨年の「詩人の恋」のときも思ったが、
今年の「愛の夢」、珠玉の曲たちを、
畑中先生の棒で歌えるなんて、
現役はなんてしあわせなんだろう…
日々の練習の中で声で表現することは
とても厳しいかったかもしれないが、
ホールの空間には確かにロマンが漂っていた。

「ポギベス」表現の多彩さ、
限られた空間での演出の素晴らしさ、
先生方のお力も大きかったと思うが、
最終ステージにかける現役の熱い気持ち、
充実した音楽を聴くことができた。

アンコール「柳河」のソロを歌った佐藤君は、
4年でたった一人のトップテナーで、
文字通り体を張って今年を支えてきた。
素晴らしい声に心から敬意を表したい。

現役にあえて不満を書けば、
やはり圧倒的な声がほしくなる。
特に、トップはメロディパートとして、
もっともっと声を磨き、精進してほしい。

ワグネルの定演は、
文字通り‘至福の時間’であった。
これほどの幸せが他にあろうか…
そしてまた新しい歩みが始まっている。

長文になりすみませんでした!


返信する
頑張ろう (katsura1125)
2008-12-11 06:05:18
大変お忙しい中、長文コメント有難うございま
した。涙をもって拝読しました。最近はいつも
涙(笑)

定演は1日ではもったいない演奏でした。(2日
間聴きたかった。)7日(日)は興奮で眠れませ
んでした。(→身体に悪い(笑))

これからもワグネルで学んだYou Can Do It!精
神でますますクレッシャエンドしていってくだ
さい。ご両親様とお姉さんによろしく!
返信する
感謝 (佐藤将之)
2008-12-11 02:10:07
このたびはワグネル133回定期演奏会に
お越しいただきましてありがとうございました。
長文でひとつひとつ事細かに感想を述べていただけて、
非常に嬉しい限りです。ありがとうございます!!

お話にありました通り、
「死んだ男」はまさに佐藤先生が最も力を入れていらした曲だと思います。
練習中から当日のGPまで、何度も何度も叱られた曲でしたが、
本番は必死で歌い切り、佐藤先生からもお褒めの御言葉をいただけ、
非常に嬉しかったです。(ただし本番後のレセプションでは、
本番になると力を発揮して直前練習で力を出し切れないのは
ワグネルの悪い癖だと、両先生から厳しいお言葉もいただきました(汗))

それから、今回の演奏会ですが両親とも来てました。
一番前の席に座っていたので、個人的には
少し歌いづらいくらいでした笑

さて、7日の演奏会を終えてついに引退をしてしまいました。
非常に厳しい団体でしたが、終わってしまうとやはり寂しいです。
ですが、畑中先生、佐藤先生をはじめ、
谷池先生、前田先生、平野先生、小濱先生、
OBの皆様、そしてお客様と、多くの方から
良い演奏会だったとの御言葉をいただけました。
ですから、引退は寂しいですが、多くの皆様のおかげで、
充実感に満ちた幸せな気持ちで引退できたこと、
心より感謝しております。ありがとうございました。
今後は自分もOBの仲間入りをさせていただき、
毎年の演奏会を楽しみにしつつ、
歌うことも忘れずに日々を過ごしていきたいと思います。
最後になりましたが、いつも応援していただき、
本当にありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします。
返信する

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