今までに、世界的なピアニストの生演奏をどれほど聴いたかしらん。
ポリーニ、ギレリス、W.クリーンなどは、その昔、N響定期で。
小澤/新日本フィルでは、R.ゼルキン、アルゲリッチを鑑賞したので
はなかったかしらん。
内田光子のモーツァルトを聴いたのは20年以上前かしらん。
10月29日(木)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲演奏会でピリスを初め
て聴いた。(於すみだトリフォニーホール)
<プログラム>
1.ロマンス第1番 ト長調 Op.40
ロマンス第2番 ヘ長調 Op.50
ヴァイオリン;オーギュスタン・デュメイ
2.ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
ピアノ;マリア・ジョアン・ピリス
--休憩--
3.ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
ピアノ;小林海都
指揮;オーギュスタン・デュメイ
管弦楽;新日本フィルハーモニー
以下に、つたないながら、個人的な感想を・・・・・・
1.
(1)ロマンス第1番 ト長調 Op.40
長身2mのデュメイは拍手に迎えられて、ゆったり登場。オケも起立し、
お辞儀を終え、オケが座るか座らないかのうちに無造作にヴァイオリ
ンを弾き始めたが、その気品ある音がすばらしかった。その後は、右
手でオケを指揮しながらの演奏。
(2)ロマンス第2番 ヘ長調 Op.50
旋律的な音楽で始まる第2番も、デュメイの弾き振り。音楽に一体感
がある。デュメイはまったく何気なく弾いており、難しい曲を感じさせな
い。ベートーヴェンのロマンスをまとめて聴く機会を得て幸せだ。ゲミュ
ートリヒな世界。
2曲の演奏が終わると、少しばかり両手を胸に当て、それを客席に向
かって広げるような、流れる仕草で下手に下がった。
2.ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
ピアノ;マリア・ジョアン・ピリス
上述のごとく、ピリスの「生の音」を聴いたのは初めてだ。歳のことを
言ってはなんだが、ピリスは今年71歳になる。155cmくらいかしら
ん。小柄だ。言うまでもなく、ベートーヴェンはウィーン古典派の音楽
だが、ロマン派の「芽生え」というか「先駆け」という部分があると言
われている。
しかし、ピリスの演奏は、まさに古典主義的と言おうか、ロマン的な
部分(if any)を強調しない、恣意的ではなく、ザッハリッヒな、がっし
りした演奏だった。「作品に余分な解釈を付け加えたりしない」(伊熊
よし子)という評は当たっているのではないかしらん。テンポはそれほ
ど速くは感じなかった(第1楽章の演奏時間は20分だった)。演奏が
終わるや、デュメイがピリスの両手にキスをした。
ピリスについての記事ご参照→こちら。
--休憩--
3.ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
ピアノ;小林海都
小林海都(かいと)は弱冠20歳。現在、ベルギーのエリザベート王妃音
楽院にてピリスに師事している。要はピリスのお弟子さんである。足早
に登場、コンマスの西江氏と握手して、客席には背筋を伸ばしてキッチ
リとお辞儀をした。
この演奏もテンポの速い、即物的、男性的であって、言ってみればバッ
クハウス(ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィル盤)
を若くしたような演奏だった。ザッハリッヒだが、枯れていないと言えばい
いのかしらん。音は濁らない。このようなさっぱりした演奏もいいものだ。
ザッハリッヒという点ではピリスと共通していた。
(東条碩夫氏の意見とは、この点の受け取り方が違うかな→こちら)。
カーテンコールでは、小林氏は、デュメイから「主役」扱いされて、少々
おどおど。デュメイから「一人でアンコールをやれ」という仕草をされ、
「いえいえ、とんでもない」とのジェスチャー。
拍手が続いて、ピリス氏、小林氏、が譜面を持って登場。小林氏は、
あわてて下手に「もう一つ、もう一つ」というジャスチャー。もう一つ椅
子が運び込まれてアンコールがスタート。
アンコールは・・・・・・
モーツァルト 四手のためのピアノ・ソナタニ長調K.381
第2楽章 アンダンテ
高音部を受け持った、ピリスのきっちりしたタッチがすばらしかった!
ピリスの次回来日公演もぜひ聴きに行きたい(今回の来日公演はま
だあるが)。
客席の入りは60%くらいかしらん、少なくて大変もったいなかった。
学生席を設けるべきだったのでは・・・・・・。
17:22 JR御茶ノ水駅
17:23
17:34 錦糸町駅「東京スカイツリータウン」方向へ進む。
17:35 駅構内にある葛餅の船橋屋 時々買う。
17:36 夕食は、一人つばめグリルで。
ピルスナー カキを注文したいところだが、写真で我慢する(笑)。
シーフードグラタンは絶品。
デザートも申し訳ないがパス。
18:26 東京スカイツリー
18:28 開場前のすみだトリフォニー
18:31 開場直後
18:34 1階ロビー
18:36 今日の座席は3階。徒歩で上がるとグッタリ~だが、大変いい
(A、え~)席だった。
18:36 開演を待つ。指揮者の譜面台が斜めに置かれている。
CD販売 よく売れていた。
評論家の東条さんも来られていた。
10月27日のベートーヴェンPf協奏曲 No.1~3の演奏会の模様。
21:18 終演後、家路を急ぐ人々
21:27 帰路 半蔵門線錦糸町
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リンクされたURIにある記事、ご紹介ありがとうございます。私、妻と11/1に、みなとみらいホールでのジョイント(チェロと)コンサートで初めてピリスさんの演奏を生で聴きました。ピアノ、ピアニシモのきれいなこと!(ベートーヴェンの#32番のソナタとチェロとのデュオ2曲)
記事を読んでいて「人生で起こるすべてには、意味がある」それに気づく柔軟性を常に持とうと・・・思ったのでした。
ピリスは、最近、ピリス&メネセス デュオ・リサイタル、そぞすばらしかったことでしょう。
音楽を通じて哲学する・・・・・・ちょっとブル先生に似ている?