人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

東響川崎定期第38回  中田整一『満州国皇帝の秘録』(文春文庫)★★★★★ etc.

2012-12-03 05:00:00 | 音楽

12月1日(土) 晴れ。師走入り。落ち葉の季節となった。演奏会シーズンとあっ
て、1日(土)、2日(日)とレンチャン演奏会のハード・スケジュールで、やや疲れ
気味。先輩から両日、別のお誘いがあったが、残念ながら丁重にお断りした。

この日は市営地下鉄で桜木町へ。東響川崎定期、年5回のうちの4回目である。

会場には評論家の東条碩夫(ひろお。変換が難しい。)さんのお姿を拝見した。こ
のところよく一緒になるのでお辞儀をしそうになる。

<プログラム>
1.マーラー「子供の不思議な角笛」より 7曲 (30’)
(1)ラインの伝説
(2)だれがこの歌を作ったのだろう
(3)麗しきトランペットが鳴り響くのは
(4)この世の生活
(5)原光
(6)番兵の夜の歌
(7)高い知性への賛歌
--休憩--
2.ブルックナー 交響曲第6番 (55’)
指揮;ユベール・スダーン
ソプラノ;クリスティアーネ・エルツェ
コンサート・マスター;グレブ・ニキティン


1.マーラー「子供の不思議な角笛」より 7曲 (30’)
(1)ラインの伝説
(2)だれがこの歌を作ったのだろう
(3)麗しきトランペットが鳴り響くのは
(4)この世の生活
(5)原光
(6)番兵の夜の歌
(7)高い知性への賛歌
ソプラノ;クリスティアーネ・エルツェ
エルツェはドイツのソプラノ。CDも多く、ロビーで販売されていた。ウィキペディ
アによれば、1963年10月生まれとあるから、今年49歳になる。175cm以上
あるだろう、大柄、長身である。
弦は12型。12-10-8-10-6だった。オーケストラの音がすばらしい。一方、エ
ルツェの歌声は、会場のせいか座席(3F-C-20)のせいか、歌詩がやや聴
き取りにくく、遠く感じた。本人の左に譜面を置いての歌唱だった。
(歌曲の場合、3階はあまりよろしくないかも。むろんP席では歌詩が聴こえな
いだろう。)

*12/4追記 エルツェの歌唱については、私のメモに「好調?」と書いたのだ
 が、東条さんのブログによれば時差ボケで不調だったようだ。

--休憩--

2.ブルックナー 交響曲第6番 (55’)
休憩中にハープが消え、ティンパニが中央寄りに移動された。弦は16-14-10
-11-8という16型。ホルンが7つと壮観である。
ブルックナーのシンフォニーは特徴がある。--弦から始まる。オルガンを連想
させる深い呼吸。だんだん盛り上がって、いい、いいと思っていると突然止まる
全休符。そして、subito ppなど。

スダーンはこれも膝を使っての指揮。インテンポの中にも多少のrit.を織り交ぜ
ながら進んだ。弦が柔らかく、とてもきれい。第2楽章では神々しさが出現。B.ワ
ルターいわゆる「ブルックナーは神を見た」のしらん。フィナーレの最後はブルック
ナーらしい全強奏で終わった。すぐにパチパチ。もう少し拍手をこらえてもよかっ
た、カナ(笑)。スダーンは10秒ほどして、客席を振り向いた。ブラボーが飛んだ。
ホルン、トランペット、トロンボーン、オーボエと立たされていった。







桜木町駅前より





QUEEN'S EAST 15周年


横浜みなとみらいホール入口


20分の休憩 みなとみらい地区を眺めながら、コーヒーを飲む。
ホッと400円 以前は300円ではなかったかな~?


14:48 休憩時


中央に発電用風車が見える。    16:05 終演後








珍しいらせん風エスカレーター





くまざわ書店


この日、くまざわ書店で購入。半藤一利『幕末史』(新潮文庫)



12月2日(日) 「トリフォニー&新日本フィル ファン感謝コンサート2012」
指揮;小泉和裕、新日本フィルハーモニー

→詳しくは来週の「人生ブンダバー」で。




<読書>


中田整一『満州国皇帝の秘録』(文春文庫)★★★★★

今年、読んだものの中で、(個人的には)間違いなくベストな本である。
単行本は平成17(2005)年幻戯書房から刊行されていたが、私は知らなかっ
た。

「ラストエンペラー」溥儀は、東京裁判でソ連側証人として証言している。大正12
年生まれの母(終戦時22歳)からも「溥儀というのはね~」と聞いていた。

そんなこともあって、溥儀については、筑摩書房から昭和52(1977)年に出版
された『わが半生「満州国」皇帝の自伝』も読んだし、TVで映画『ラストエンペラ
ー』(1987年。アカデミー賞作品賞)も観ている。

溥儀の寵愛を受け、その通訳をしていた林出賢次郎(明治15[1882)年生~
昭和45[1970]年没)がひそかに溥儀の会見録(備忘録)を記録していたのが、
50年後に「厳秘会見録」として和歌山県御坊市の林出家で「発見」されたので
ある。

著者の中田整一がその存在を知ったのが昭和60(1985)年。その後、周辺の
取材を行い、本書を単行本にしたのは、それから20年経った平成17(2005)
年であった。

著者が行ったように、「厳秘会見録」と『わが半生』を照合すると、溥儀は『わが
半生』でいくつか重要な部分でウソをついていることが分かる。

溥儀は、関東軍によって満州国の皇帝となったが、最終的には北京での清朝
復辟(ふくへき)の願望(野心)をいだいていたようだ。

この「厳秘会見録」の存在を知っていたのはごく少数であり、溥儀すらその存
在を知らずに亡くなった。林出さんは亡くなるまで黙秘していたのである。

本書に書かれた、溥傑の
「私たちは、清朝復辟のために関東軍を利用し、関東軍もまた私たちを政治
目的のために利用しただけです。そのための仕組みが私たちにとっての『満
州国』でした」
という言葉が印象深い。
(張学良も似たようなことをいっていたかしらん。もう一度調べてみよう。)

本書の書き方は、時代を前後しているので、年表を参照し、旧満州の地図を
見ながら読み進めた方がいいだろう。近現代史の好きな方にはオススメ!!



     *        *        *        *

本郷通りのイチョウ

11/26(月)


11/27(火)


11/28(水)


11/29(木)


11/30(金)


11/30(金)



11/29(木) 久しぶりのOB練習(--東京芸術劇場)。退社後、野らぼ~さん
へ讃岐うどんを食べに行ったら、店員さんがそろって「お久しぶりで~す」。

「チャイコフスキー歌曲集」第1曲(ハイネ詩)、第2曲(トルストイ詩)の譜読みと
歌詩付け。「今回であきらめないでくださいね」(指揮の須田さん)。

最後に新入or復帰のOB4人の紹介あり。現役諸君が1月12日の定演の宣伝
に来た。定演、行きますよ~。


讃岐うどん+かぼちゃ天 550円


この日は練習が19時開始なので、ドトールに立ち寄る。


おつりにまぎれていた平成24年製の百円玉 ピカピカ!


「チャイコフスキー歌曲集」の譜読み風景 ピアノは須田さん


シベリウスを歌う現役諸君 声が若々しい!


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8 コメント

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チャイコ (SIRANO)
2012-12-03 12:46:59
来年のOB四連でチャイコを一緒に歌えるといいですね。
返信する
Re;チャイコ (katsura1125)
2012-12-03 21:02:00
SIRANOさん、早速のコメント有難うございます。

二期会の岸本さんによれば、ロシア語の母音はイタリア語と似ている、とか。読みになれる必要がありますが、なんとか暗譜にチャレンジしたいです。

よろしくお願いします。
返信する
類推 (minorer)
2012-12-05 21:35:50
チャイコの「騒がしい舞踏会で」の歌詞で
「ノーチ(夜)」を「これはノッテだよね」
「オーチ(目)」を「これはオッキォ」
イタリア語との相似について面白そうにおっしゃっていた
畑中先生の言葉が今も耳に残っています

ロシア文字はむしろギリシャ語に似ているのに

katsuraさんはご病気のため折角歌うチャンスのあった
チャイコにオンステできなかったんですね
是非40年ぶりにリベンジされることを
返信する
Re;類推 (katsura1125)
2012-12-06 20:17:01
minorerさん、すてきなタイトルのコメント有難うございます。

ブル先生の、練習中のひと言ひと言は忘れられませんね~。それだけ先生の練習が魅力的だったということでしょうか。また、それだけ私たちも集中していた、ということでしょうか。

「あの年」はロシア語、ドイツ語、フランス語・・・ラテン語(?)もありましたか。
返信する
バベルの塔ここに始まる (minorer)
2012-12-06 20:34:19
(?)をつけるならフランス語の方でしょう
木下先生に「全くフランス語には聞こえませんでしたよ」
と言われてしまいました
その木下先生は日本語で、しかも掛け声の扱い方が
さすがでした
音程を微妙にはずして、なおかつアンサンブルで揃える
(よーおい よーおいー)

アンコール曲のサイモンとガーファンクルは英語でしたから
なんと6ヶ国語でした
返信する
Re;バベルの塔・・・ (katsura1125)
2012-12-08 20:25:31
木下先生のおっしゃり方はもっと厳しかったように記憶しています(笑)。

先生は、先生がお振りにならないステージも楽譜を見ながら聴いておられましたね~。
返信する
沙羅 (sho)
2012-12-10 21:24:20
木下先生の沙羅の練習録音CDを聴きました。あの頃のやまと言葉のご指導がまさによみがえって来ました。嬉しかったですね。
今度は佐藤先生のチャイコですか。先生はロシア語専攻とおっしゃってましたが、畑中先生の時と同じ発音なら大丈夫です。でも市販の楽譜通りでは全く発音が違うので戸惑います。パイミョットがポイミョットです。
返信する
Re;沙羅 (katsura1125)
2012-12-11 17:20:34
shoさん、有難うございます。

木下先生/東京放送合唱団の混声版CDですネ。先生のひと言ひと言が心に響きます。



ロシア語は慣れていないだけに、キッチリ勉強するいい機会でしょうか。
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