5月1日、この北半球の温帯域は、いたるところみどりいろに包まれている。
「みどりご」とは言いえて妙、古代の大宝令で生まれたばかりのこどもは、新緑や若葉のように清新なので、このように呼んだのだという。
ハイネの詩によるシューマンの「詩人の恋」、その第1曲目が「美しい五月に」だ。
カレンダーをめくり5月の声を耳にするたびに、何度この感傷的で儚い歌を聴いてきたことだろう。
いい歳を数えて、紀州のドン・ファンじゃあるまいし、女性に憧れをいだき、願いを打ち明けるのが、オイラの5月ではない。
それは、これから花開く白や薄紫の蕾だったり、産卵を済ませもうすぐ命を終えようとする春のチョウだったり、間断なく命の歌声を森中に響かせる小鳥たちだったり、憧れと願いの対象は、この季節の森の仲間たちなのだ。
小玉晃さんのバリトン・丸山耕路さんのピアノ(YouTubeより)
シジュカラさん
ヒヨドリさん
エナガさん
フデリンドウさん
チゴユリさん
アゲハチョウさん
ミヤマガマズミさん
ナナカマドさん