かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

白山にライチョウさんは住んでいるのか

2021-05-14 05:30:27 | 日記

白山登山の情報ポータルサイト「白山ベストガイド」というサイトを閲覧していたところ、「白山雷鳥荘」という山小屋があることを知った。全室個室で、4.5畳2名1室36,000円と山小屋にしては「VIP料金」でとても一人では宿泊できそうもないが、場所を確認しても「山と高原地図」にもヤマケイのデータブックにも載っていないので、おかしいなと思った。

よくよくサイトの説明を見たら、白山観光協会が管理する白山室堂の宿泊施設に併設された山小屋らしく場所も、室堂にあるらしい。それにしても、2012年に建てられたという独立した山小屋が地図にないのは変だ。

でも、なぜこの山小屋のことが気になったかというと「ライチョウ」という施設に冠せられた名詞。「あれ、白山にも愛すべきライチョウさんがいたんだっけ?」という疑問が湧いたからだ。このまえ、拝読したライチョウ研究家の中村浩志先生のご本では、白山に住んでいるという情報が得られなかったので、そんな疑問が湧いた。

それで、「白山のライチョウ」と検索してみたら、石川県や石川県白山自然保護センターのHPに詳しく説明があって、要約すると「かつては住んでいたが、いったん絶滅した。それが2009年に登山者により発見され、白山にライチョウさんがもどってきたとみんな大喜びし、関係者も繁殖に努力した。だが、努力もむなしく2016年4月に登山者に確認されて以降、だれも見たことがない。よって、再び絶滅したものと思われる。」ということらしい。

再発見時は、どうやら北アルプスから飛んできた♀で、♂はいなかった。どこかで事故にでもあったのか。それでもその♀は受精していたので抱卵し、その子孫が数年の間生き延びたということらしい。残念なおはなしではあるが、それでもいしかわ動物園では繁殖も試みているということで、中村先生らのご努力で、白山にライチョウさんが再々復活をさせてほしいと願うばかりである。

北アルプスからは、数十キロも離れているということで、なかなか飛んでくるのがむつかしいのだろうし、あとはサイエンスの力に頼らざるを得ないのではなかろうか。すくなくとも、いま絶滅が心配されている火打山よりは、エサとなるコケモモやガンコウランの数や隠れ家となり巣作りの場所ともなるハイマツは、白山の方が圧倒的に多いのだと思うので、数家族が生き抜くには絶好の場所かとも思う。

「白山雷鳥荘」という小屋名は、戦後実在した「雷鳥荘」という山小屋の名を引き継ぎ、どうやら2009年の再発見を記念して新築されたことらしいが、ライチョウさんが再び白山から消えて、名前負けの感があり、さぞや困惑していることだろうが、「白山にもライチョウさんがいたんだぜ、また来るかもね」と、登山者に知らしめるためにも、堂々と営業をつづけてほしい。ちょっと高くてオイラは泊まらないが。

2021年夏、カメラを肩にかけたオイラが白山の高山帯を歩いているとき、ガスの合間から、あの「ゲーッ・ゲーッ」という聞きなれた声を聞いて、立ち止まる・・・そんな憧れをもって、この山を歩きたい。

 

       

                  2019年白馬エリアの♀とヒナ(再掲)  

石川県のHP

白山のライチョウの歴史

白山雷鳥荘 

 

2019年白馬岳のライチョウさんスライドショー(再掲)

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