木の葉が芽吹き、優しい緑色をして世界に現れるこの月、少しだけ枝先からその若葉を頂戴して帰り、無地のB5ルーズリーフに貼り付ける試みがはじまった。
その緑色の色彩の美しさと造詣の妙を眺めながらスケッチでもしてみようかとの発案なのだが、しばらく時間をおくと色あせて黒ずんでくるので、すぐにスケッチしなけらばならないが、なかなかスタンバイできない。初々しい色彩はカメラに収めてくとして、せめて造詣は、押し花ならぬ押し葉で保存して、長い時間楽しもう。
このようにしながら、木々の名前といきざまを覚えていこう。
サンショウは羽状複葉で雌雄異株とか。この花は、あの黒い実になる雌株の花。
このようにして採取した葉っぱの中でリョウブという木の葉っぱは、昔から救荒植物(不作の時に、野菜の代わりに食べられてきた保存植物)としてごはんに混ぜたりして食べられていることを教わった。
そこで今日は、たくさん葉をつけているリョウブの葉を少し間引いてちぎってきてどんな味がするのか、メスティンで炊いた無洗米でリョウブご飯をつくってみた。
競争の相手にと、大好きなウコギ科のハリギリとコシアブラも葉っぱが大きくなったが少しだけいただいてきて同一条件、すなわち、さっと湯がいて、水にさらし、水を絞った葉に塩を少し揉み込んで炊き立てのご飯に混ぜ込んで食べる、という単純明快なる手法で食べ比べしてみた。
うーん、皆、個性的で「地霊の妙味」という風で、味わい深い。このような癖のある個性的な葉っぱたちはごはんに混ぜて食べると主張が行き届いて、山菜らしい味わいができる。
ついでに採取してきたサンショウの葉をそのまま刻んで納豆に入れてみたが、さすが納豆には打ち勝てないようで、葉を炒って塩を振りかけたのをごはんでいただく方がサンショウの主張がよく分かる。
時計回りに、左下からリョウブごはん、ハリギリごはん、コシアブラごはん、サンショウ納豆ご飯
まさに、新緑の季節にいろどられた「みどりめし」。どれもこれも、その個性的で生命力にあふれた味わいで、きっと、コロナに打ち勝つように、ヒトの体にいいおこないをしてくれるものと信じたい。
ここで一句
新緑や マスク外して 深呼吸